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働き方

公務員のsnsは禁止?懲戒処分事例も含めて元公務員が解説します

公務員のSNS
matauemoon

「公務員はSNSが禁止されているの?」

「過去にSNS関係の懲戒処分事例はある?」

「どのような部分に注意したら良いの?」

などの疑問をお持ちではありませんか?

私も公務員時代、一斉に叩かれてしまうSNSの風潮と、頻発するSNSトラブルに不安を感じ、「もしかして公務員はSNSを禁止しているんじゃないか?」と感じたことがあります。

ですが、結論として、公務員のSNSは一般的には禁止されていませんし、各自の判断で運用してもらってOKです。

各所属の勤務規則によっては一部禁止する場合もあるかもしれませんね

しかし、SNSの運用には慎重になる必要があり、公務員としてSNSを通じた服務規律違反が続いてしまうと、いずれ禁止まではいかずとも制限されてしまう方向に傾く可能性もゼロではありません。

そこで、公務員としての注意点を含めた適切なSNS運用について解説していきます。

この記事で分かる事

・公務員のSNS運用における注意点

・SNSに関連した懲戒処分事例

この記事を読むことで

・ポイントを押さえた安全なSNS運用ができる

・公務員としての規則を知り、NGな運用を回避できる

私は公務員として20年間勤務し、公務員ならではのSNSトラブルや、同僚の危ういSNS利用方法などを間近に見てきました。

そんな私だからこそ語れる内容をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

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公務員のSNS利用に関する規制とルール

公務員のsns

公務員のSNSは原則規制されていないが要注意

冒頭でもお伝えしたように、公務員がSNSを利用することは、基本的に禁止されていません。

多くの職員がプライベートでSNSを楽しんでおり、個人の意見や日常の出来事を共有することは自由です。

ただし、公務員である以上、SNSを利用する際には注意が必要です。

特に、プライベートであっても以下の点を意識しましょう。

SNS利用時に注意すべきポイント

守秘義務の遵守

公務員は業務上知り得た秘密を守る義務があります。

SNS上で業務に関する情報を不用意に発信してしまうと、守秘義務違反となる可能性があります。

特に、関係者の個人情報や機密性の高い業務内容を漏らす行為は厳しく取り締まられ、懲戒処分の対象になることがあります。

信用失墜行為に注意

公務員の信用は、個々の職員の日常的な行動にも大きく影響されます。

SNS上で軽率な発言や不適切な行為を行うと、それが公務員全体の信用に関わる問題となる可能性があります。

たとえプライベートな投稿であっても、公共の場における発言と同様に責任を持つことが求められます。

職務との境界を意識する

休日であっても、公務員としての立場を忘れてはいけません。

SNSでの発言が業務に影響を与えたり、関係者との信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。

特に自身の業務に関連する具体的なトピックや、業者とのやり取りについては控え、内容については常に慎重に発信するようにしましょう。

要するに「尖った発信は避けるべし」ということです

SNSは、公務員であろうとなかろうと関係なく、現代におけるコミュニケーションのツールですが、中でも公務員はその利用にはリスクが伴うことを意識しましょう。

公務員としての責任を果たしつつ、SNSを安全に利用するためには、自分の行動がどのように見られるかを常に意識することが重要です。

SNS利用に関する公務員のガイドラインがある

公務員がSNSを利用する際には、総務省が平成25年に発表した「国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての注意点」を参考にすると良いでしょう。

このガイドラインは、公務員がソーシャルメディアを利用する際の基本的なルールを示しており、まだ経験の浅い若手職員にとっても非常に重要です。

このガイドラインの主なポイントは以下の通りまとめてみました。

公務員がSNSを利用する際の注意点

【ソーシャルメディアの特性を理解する】

SNSは情報が瞬時に拡散し、広く共有される可能性があるメディアです。

また、様々な価値観を持った人がいるため、意図せず衝突を招いてしまうことも考えられます。

職員として、SNSの特性を十分に理解した上で、発信する内容がどのように受け取られるかを慎重に考える必要があります。

【法令を遵守する】

公務員がSNSを利用する際には、守秘義務や公務員倫理に反する行為をしないことが求められます。

業務に関する情報や、関係者に関わる情報を公開することは厳禁です。

また、プライベートの利用であっても、他人を貶めたり、信用失墜行為に繋がるような投稿は避けるべきです。

【適切な使い方を心がける】

SNSは職員個人の意見を発信する場であると同時に、公務員という立場が常に伴います。

SNSでの発言や行動が、職務や公務員全体のイメージに影響を与える可能性があるため、常に適切な言動を心がけることが重要です。

ガイドラインなので、絶対にこうするべきというものではないですが、公務員ならではの注意すべきポイントを分かりやすく示してありますね

このガイドラインは国家公務員に対するものですが、各自治体でも同様の内容が浸透しています。

若手職員として、SNSを利用する際にはこれらのガイドラインを参考にして、業務に悪影響を及ぼさないようにすることが大切です。公務員としての自覚を持ち、SNSを安全に活用しましょう。

あなたは大丈夫?個人アカウントでのNG例

公務員のSNS

あなたは個人アカウントでの投稿内容に注意を払っていますか?

プライベートなアカウントだからといって、安心してはいけません。

SNSは誰でも簡単にアクセスできるため、職員としての立場が明かされてしまう可能性があります。

ここでは、特に注意すべきNG例を紹介します。これらの行為を参考にしてトラブルを未然に防ぎましょう。

公務員であることが身バレするような写真や投稿

公務員としての立場を隠しているつもりでも、投稿された写真や内容から、職員であることが推測される場合があります。

例えば、制服や役所の建物が映り込んでいる写真、業務に関連する投稿などは、あなたが公務員であることを示唆し、公務員としての行動が注視される原因になります。

あなたの投稿を同じ業種の人が見ていればバレやすくなりますし、目を光らせる住民もいます。

友人だからこそ理解できる発言を全体に公開

プライベートなアカウントでも、SNS上では発言が広く公開される可能性があります。

友人との間で共有したつもりの内容が誤解を招いたり、関係者にとって不快に感じる内容と取られることもありえます。

特に、内部情報や職務に関する暗示的な発言は、問題・違反行為とみなされるリスクがあります。

実際に同僚で友人に発信している内容が、公務員としての立場を示す写真だったりしたので、「大丈夫かな・・」と少し不安になることもありました

勤務時間中のSNS利用

公務員は業務中にSNSを利用するのはやめましょう。

勤務中のSNS利用は、職務専念義務を怠る行為とみなされ、懲戒処分の対象となることもあります。

特に、住民からの通報による発覚が多いため、常に見られているという意識をもって職務に臨んでください。

職務とプライベートの境が難しい部分もありますが、そもそも仕事中にスマホを何気なく操作している姿は、住民からすると印象が良くないようです

SNSで収入を得る(アフィリエイト)

フォロワー数の多いインフルエンサーは、提携したオススメの商品などを投稿して、そこから収益を得ています。

これはアフィリエイトというビジネスであり、公務員は禁止された行為です。

一部可能な方法も別記事で解説していますが、基本的にはSNSで収益を上げようという考えは捨てましょう。

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また、商品紹介だけでなく広告を貼り付けて収入を得る事もOUT。

さらに、SNSを通じた商品の販売行為も、もちろん禁止です。

公務員のできる副業には未だ多くの制限があるので、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

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これらのNG例に注意してSNS利用によるトラブルを回避することで、公務員としての信頼を守ることができます。

SNSは個人アカウントでも油断は禁物

SNSは現代に欠かせない便利で魅力的なツールで各個人に運用の責任が委ねられている。

公務員という立場を忘れずに、自分自身でコントロールしながら上手に付き合っていきましょう。

公務員のSNS利用に関する懲戒処分事例

実は公務員は職業柄、禁止事項が結構細かく定められています。

禁止行為に該当することで処分を受けるわけですが、年間の懲戒処分者がなかなか減らない傾向にあります。

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SNSの利用が広がる中、公務員がSNSを適切に利用しなかったことによる懲戒処分の事例も増加しています。

ここでは実際に発生した懲戒処分事例を紹介しますので、この事例を参考にし、SNS利用におけるリスクを理解しましょう。

療養中の旅行をフェイスブックに投稿し、減給処分

療養のために休職していた職員が、その間に旅行をしていたことをフェイスブックに投稿した結果、減給処分を受けました。

療養中の行為(旅行)が不適切であるとされ、さらにSNSへの投稿がその証拠となってしまった事例です。

勤務中にLINEを利用し、戒告処分

勤務時間中にLINEを使用していた職員が、職務に関する内容を含むメッセージを送信していたことが発覚し、戒告処分を受けました。

業務中の私的なSNS利用が職務への専念義務を欠く行為とみなされました。

さらに、職務に関する内容を送信していたことが、守秘義務の違反行為に該当しています。

執務時間中に私用スマートフォンで撮影し投稿、減給処分

執務時間中に職務とは関係のない写真を私用スマートフォンで撮影し、それをLINEのグループチャットに投稿していた職員が、減給処分を受けました。

さらに、住民の名字を含む個人情報をSNS上で共有したことも問題視されました。

教諭が生徒に対し不適切な投稿を繰り返し、停職処分

教諭がSNS上で生徒に対して不適切な投稿を繰り返していたことが明るみに出て、停職処分が下されました。

この行為は教育現場の信頼を大きく損なうものであり、厳しい処分となりました。

これらの事例はSNSというツールを介して行われたものですが、程度の違いはあっても、全ての公務員が簡単に起こしてしまいかねない危険性を秘めています。

SNSは公私の区別が曖昧になりやすいツールであり、公務員という立場を忘れてしまうと、思わぬトラブルに発展することがあります。

日頃から強い倫理観を持って仕事だけでなく、プライベートも過ごしていく必要があると言えます。

公務員がSNSトラブルを避けるための注意点

公務員のsns

ここまで、読まれた方は「できるだけ余計なSNSトラブルには巻き込まれたくない・・・」と感じたのではないでしょうか。

では、公務員がどのようにしてSNSを活用していくべきなのか、総務省のガイドラインが伝えたいことを具体的にかみ砕いて解説していきます。

主に閲覧のみの利用とする

SNSを利用する際、公務員がトラブルを避けるための最も効果的な方法の一つは、「主に閲覧のみの利用」に徹することです。

情報収集のためにSNSを活用することは非常に便利であり、特にX(旧Twitter)やインスタグラムなど、最新のトレンドやニュースを把握する手段として多くの職員が利用しています。

しかし、繰り返しになりますが情報を発信する際には、いくつかのリスクが伴います。

【SNSでの情報発信が引き起こすリスク】

業務に関わる誤解やトラブル

SNSでの発信内容が誤解を招いたり、業務に関連する情報が意図せず漏れてしまうことがあります。

公務員として勤めている人からの発言は、個人的な意見であっても公務員全体のイメージに影響を与えることがあるため、注意が必要です。

個人情報の漏洩

SNSでの投稿には、職員の身元や関係者の情報が無意識に含まれてしまうことがあります。

これが外部に漏れると、個人情報の漏洩として問題となる可能性があります。

特に、業務に関する内容や写真掲載には細心の注意を払いましょう。

このようなことからも、公務員がSNSを利用する際は、以下のように付き合っていくと良いのではないでしょうか。

情報収集をメインに活用を絞る

SNSの目的は

・交流

・ブランディング

・記録

・情報収集

と、いくつかありますが、情報収集を目的とすることでトラブルを避けることができます。

SNSは、最新のニュースや世間の動向を把握するための強力なツールです。

今ではバズったネタにネットニュースが後追いしているような状況も見られるほど、タイムリーでトレンド性が高いものとなっています。

その強みを情報収集の分野で活かすようにしましょう。

発信を控える

先ほどと重なりますが目的は閲覧による情報収集であり、あなたから情報を発信することは控えることをオススメします。

Xやインスタグラムでの発信は、どうしても公務員としての責任が伴います。

軽率な発言や行為が、関係者や業務に悪影響を及ぼすリスクがあるため、発信は極力控えることが安全です。

むやみにフォロワー数を増やさない

SNSを利用する際、フォロワー数はステータスとして判断されるものですが、公務員がフォロワーをやたらと増やそうとすることは避けるべきです。

なぜなら、フォロワー数が増えると、その分だけあなたのアカウントや投稿内容が多くの人々に見られる可能性が高まるからです。

これは、公務員というあなたの立場において、思いがけないトラブルを引き起こすリスクを伴います。

フォロワーが増えるほどに、純粋にあなたの意見に賛同してくれる人だけでなく、アンチ(反対の人)も一定数増えていきます。


フォロワー数を増やすことを目的とした行動、つまりインフルエンサー的な行為は、公務員という職業との相性が難しい部分があります。

公務員はプライベートであっても、職員としての信頼性を維持することが求められるため、フォロワー数を意識した過度な自己表現や活動は控えましょう。

鍵付きアカウント機能を活用

通称「鍵アカ」などと呼ばれているもので、非公開設定をしているアカウントのことを指します。

非公開設定をすることで、フォロワーのみが発信内容を見ることが可能となり、プライバシーを守ることができます。

公開範囲が限定されるので、身バレしにくいってことですね

それぞれのサービスで機能が若干異なりますが、鍵付きアカウント設定をしておくことをオススメします。

一方で、範囲が限定される為、多くのコミュニケーションを取ろうとする場合には不向きですが、公務員としてはデメリットよりもメリットが多い機能です。

トラブルは目立つ行為に付いてくる

目立とうとすればするほど、多くの人に注目されるが、公務員にとってそれはプラスにはならない。控えめなSNS利用でリスクを最大限減らすべき。

公務員のSNSは厳禁ではないが、軽率な発信はNG【まとめ】

公務員のSNSは禁止かどうかについて解説してきました。まとめると以下の通りです。

基本的に公務員がSNSを利用することは禁止されていないが、利用する際にはいくつかの重要な注意点がある。

【公務員のSNS利用上の注意】

守秘義務の遵守
公務員は業務上知り得た秘密を守る義務がある。

SNS上で業務に関する情報を不用意に発信することは、守秘義務違反となる可能性があり、厳しい処分対象。

特に関係者の個人情報や機密性の高い業務内容を漏らす行為は、信頼を損なう重大な違反行為。

〇信用失墜行為の回避
公務員の信用は個々の職員の日常的な行動に関係。

SNS上で軽率な発言や不適切な行為を行うと、公務員全体の信用に悪影響を及ぼす可能性がある。

プライベートな投稿であっても、公共の場での発言と同様に責任を持ち、慎重に行動すること。

〇職務との境界を意識する
SNS利用時は、休日であっても公務員としての立場を忘れないことが重要。

SNS上の発言が業務に影響を与える可能性があるため、業務に関連する内容や業者とのやり取りについては慎重に対応する。

極端に尖った発信を避け、トラブルを未然に防ぐことが求められる。

〇ガイドラインの活用
公務員がSNSを利用する際には、総務省のガイドライン「国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての注意点」を参考にすることが推奨される。

これらのガイドラインは、SNS利用の基本的なルールを示しており、特に経験の浅い若手職員にとって重要。

SNSの特性や法令遵守を理解し、適切な利用を心がけること。

NG行為例】
公務員がSNSで行ってはいけない行為には、

・業務に関連する写真や情報の投稿

・勤務時間中のSNS利用

・SNSを通じた収益行為(アフィリエイト)

などがある。これらの行為は実際に過去懲戒処分の対象となったため、特に注意が必要。

【公務員のSNS対策】

公務員がトラブルに見舞われない適切なSNS運用の対策は以下の通り。

〇閲覧をメインにする

発信や投稿は多少なりともリスクを伴うため、閲覧による情報収集を目的としてSNSを利用する。

〇フォロワー数の増加を避ける
SNS利用時にはフォロワー数が増えるほど多くの人にアカウントが見られることなる。

公務員がインフルエンサーのようにフォロワー数を増やそうとする行動は、身バレやトラブルに対するリスクを伴う。

公務員としての信頼性を維持するためにも、フォロワー数を意識した自己表現や活動は控えるべき。

〇鍵付きアカウントの活用
プライバシーを守るために、SNSアカウントを非公開に設定することも有効。

非公開アカウントを利用することで、知人のみに発信内容を限定し、トラブルを回避することが可能。

とにかく目立つ行為を避けることで、SNSのリスクを最小限に抑えることができます。

公務員となった以上、ルールの上で生きていく必要があります。これらの注意点を守り、公務員としての責任を果たしながら、SNSを安全に利用していきましょう。

この記事を書いた人
はたらく(元)公務員
はたらく(元)公務員
地方公務員として20年間勤続。若手の頃からプロジェクトのリーダー等を務めていく中で、人事評価で「S」を取得し続ける。同期の中で最速で昇進を果たすも、働き方に疑問を感じ退職。 現在は新たな生き方を模索しつつ、公務員時代のノウハウをブログにしています。 なお、公務員に特化した資産形成に関する無料メール講座を配信しています。 https://form.os7.biz/f/f88504d4/
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