公務員は年金をいくらもらってる?計算・増額方法なども元公務員が解説
「公務員は年金がたくさんもらえるの?」
「今も退職後は年金生活で安泰?」
「近年の年金制度でどう変わった?」
など、年金に係る悩みは尽きないのではないでしょうか?
退職後の給与に変わる大事な収入源ですから、具体的にどのくらい貰えるのか気になるところですよね。
そんな方はこの記事を読んで、年金制度や将来の退職後の生活についてイメージを膨らませてみてください。
私は公務員として20年勤務し、年金制度の改正後に退職しました。
退職時に研修を受けるなどして、年金制度の変遷や、実際の支給額に対してそれなりに調べて向き合ってきました。
そんな私の持つ知識と考えをここに記したいと思いますので、ぜひご覧ください。
公務員の年金受給額と条件
年金がどのくらいもらえるかは恐らく多くの人が考えることですが、年金制度自体の仕組みがとても複雑で分かりにくいです。
きっと多くの人が聞いてもよく理解できないと思います・・
そのため、どうしても概要から入っていく必要があるため、受給条件等を含めた解説をしていきます。
年金支給開始年齢と受給資格
公務員として退職を迎える際に最も気になるのは、年金がいつからどのように支給されるかという点ではないでしょうか。
現在、私たちは生年月日によって支給開始年齢が微妙に異なっています。
なぜかというと、先に生まれた方々は当時60歳の年金支給開始予定だったからです。
しかし、その後年金制度の改正により65歳支給となりました。
そのため、経過措置として段階的に支給開始年齢を引き上げていったのです。
つまり、本来は60歳支給だったのですが、急に65歳支給にされても困惑してしまう上に世代による不利益を被ってしまいます。制度変更による負担を軽減するためのテコ入れが行われているんですね。
ここでは、そんな複雑な特別支給の老齢厚生年金と、通常の老齢厚生年金について詳しく解説します。
特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金は、特定の要件を満たした場合に65歳まで支給される年金です。この制度は、昭和36年4月1日以前に生まれた方に適用されます。
特別支給の老齢厚生年金は、以下の要件を全て満たす必要があります。
・60歳以上であること
・1年以上の厚生年金被保険者期間があること
・国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合わせて10年以上)を満たしていること
この特別支給の老齢厚生年金は、60歳から65歳までの期間に支給されるもので、特に退職後の生活設計に大きな影響を与えることになります。
ただし、昭和36年4月2日以降に生まれた方には、この特別支給の老齢厚生年金は支給されませんので注意が必要です。
老齢厚生年金
次に、65歳以上の方に支給される老齢厚生年金についてです。
こちらは、会社員時代に保険料を納め、多くの方が受給することになる一般的な年金制度です。
老齢厚生年金は以下の要件を全て満たすことで支給されます。
・65歳以上であること
・1ヵ月以上の厚生年金被保険者期間があること
・国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合わせて10年以上)を満たしていること
老齢厚生年金は、65歳から生涯にわたって支給されるため、公務員としての長いキャリアの終わりに安定した生活を送るための重要な財源となります。
・特別支給の老齢厚生年金は、60歳から65歳までの期間に支給されるもので、昭和36年4月1日以前に生まれた方が対象。
・老齢厚生年金は、65歳から支給される年金で、1ヵ月以上の厚生年金被保険者期間と10年以上の受給資格期間が必要。
・受給資格期間には、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間が含まれる。
おおよそもらえる年金額は?
公務員として退職を迎える皆さんにとって、退職後にどれくらいの年金が支給されるのかは非常に気になるところです。
年金受給額は個々の加入期間や納付額により異なりますが、ここでは厚生労働省年金局が発表している令和4年度末現在の平均的な年金受給額を参考にして解説します。
【全体の平均年金受給額】
全平均(官民含む)・・・月144,000円
公務員・・・月160,000円程度
民間と公務員両方を含めた厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給権者の平均年金月額は144,000円(老齢基礎年金を含む)です。
この数字は、あくまで平均値であり、個々の年金受給額は加入期間や納付額により大きく異なります。
中でも公務員は定年まで勤めあげるケースが多く、加入期間も長いため、この平均を上回る数値となる傾向にあり、160,000円程度とも言われています。
公務員も共済年金→厚生年金へ一元化
日本の公的年金は、現在国民年金と厚生年金の2種に分かれています。
従来の公務員は、1階部分の国民年金(老齢基礎年金)、2階の共済年金の給与比例部分、そして3階は共済年金の職域部分と手厚い構成でした。
しかし、公平性の確保と年金制度も維持など様々な検討の結果、共済年金制度は厚生年金制度に統一され、平成27年10月1日から厚生年金に公務員や私学教職員も加入することとなりました。
公務員の厚生年金加入の仕組み
年金制度の一元化により、公務員も1階の国民年金と、2階の厚生年金は民間企業勤めの会社員と同じになりました。
でも、なぜそれぞれの年金を一元化する必要があったのでしょうか・・。
この年金制度の一元化には、いくつかのメリットがあると言われています。
年金制度の維持
日本の年金制度の仕組みとして、今納めている年金保険料は現在の受給者に支給されるようになっています。
ですが、少子高齢化が進み、適正なバランスを取っていくことが難しくなっています。
年金制度そのものは維持する必要があるため、あの手この手で対策を打ち続けなければ、いずれ崩壊してしまいます。
その対策の1つとして、共済年金と厚生年金間の適用者数を1つにすることで、厚生年金としての加入者の母数が増えて、年金財政計算において安定的な数字が見込めます。
つまり、日本の年金制度の基盤が安定しやすくなるという効果が得られます。
公平性の向上
公務員と民間企業の年金制度の違いはこれまでも不公平感があると言われてきました。
同じ期間サラリーマンとして年金保険料を納め続けてきて、公務員か民間企業かの違いで退職後の受給額に大きな差が出てしまうことには不公平感がある・・・ということですね。
これを同じ年金制度に加入させることで、年金制度における官民の不公平感がなくなります。
転職時のスムーズな移行
公務員から民間企業への転職、またはその逆の場合でも、年金制度が統一されているため、年金加入期間の確認や移行がスムーズです。
また、これまで別々に扱われていた年金制度を一度整理してしまえば、その後の管理が簡素化され、受給漏れ等のミスを防ぎつつ効率化を図ることができます。
んー、、とはいえ公務員側にそんなにメリットあるかな・・?
確かに、これらは年金制度全体におけるメリットであり、実際は年金負担料率が増える公務員側から見るとあまりメリットが無いようにも見えます。
しかし、1人の年金を何人で支えるかを示す数値の「年金扶養比率」が公務員はあまり良くなく、共済年金(従来の公務員の年金)制度の救済という面も見られるため、一概にはメリット・デメリットで測ることができない部分もあります。
公務員の厚生年金加入が支給額に与える影響
年金一元化によって、以前の公務員にあった豊かな年金暮らしというイメージが変わってきたように感じられます。
この変更が公務員の年金支給額にどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。
被保険者の年齢制限ができた
共済年金では、私立学校教職員共済を除き、被保険者に年齢の上限がありませんでした。
つまり、保険料を払い続ければ年金額は加算されていく仕組みでした。
しかし、厚生年金では70歳までという年齢制限が設けられています。
このため、70歳以上で働き続ける場合であっても、年金の加入はできません。
保険料率の統一
共済年金と厚生年金の保険料率が統一されることにより、公務員の負担も変わります。
これまでは共済年金の保険料率が厚生年金よりも低く、優遇されていましたが、統一後は厚生年金の保険料率に合わせられることになりました。
未支給年金の支給範囲の変更
共済年金では、亡くなった受給者の未支給年金が遺族や支払人に受け継がれる仕組みがありました。
しかし、厚生年金では「亡くなった受給者と生計を共にしていた3親等以内」の親族に限られます。
この変更により、未支給年金の受け取り範囲が制限されます。
遺族年金の転給の廃止
共済年金においては、遺族年金受給者が無くなった場合に、
1.配偶者・子ども
2.父母
3.孫
4.祖父母
と受給の権利が移る転給制度がありました。
しかし、厚生年金への一元化に伴い、この制度は廃止されました。
職域加算部分の廃止と新たな制度の導入
共済年金の職域加算部分は廃止され、代わりに「年金払い退職給付」が導入されました。
職域加算部分は、公務員特有の加算部分で、これが廃止されたことにより、年金額が減少する可能性があります。
ただし、新たな制度として年金払い退職給付が追加され、民間の企業年金に相当する形で退職後の生活支援の一環として機能します。
・70歳年齢制限
・保険料率の変更
・未支給年金の支給範囲の制限
・転給制度廃止
→従前に比べ、退職後の安泰というイメージは無くなった。
公務員の年金受給額の計算方法
公務員の年金受給額は、基本的には以下の部分を全て乗せて計算されます
基礎年金部分
国民年金に相当する部分で、全国民が対象となる年金。
厚生年金部分
給与に基づいて計算される部分で、公務員としての加入期間と納付額が反映。
職域加算部分
厚生年金と一元化されるまでの間、共済年金に加入していた公務員限定の支給部分
年金払い退職給付部分
一元化後の公務員が新たに積み立てる部分
(引用:地方公務員共済組合連合会HPより)
これまで存在した3階部分は、今後自動ではあるものの、自分達で積み立てていくようなイメージですね。
例えば、35年間公務員として働き続けた場合、年金受給額は3階層で以下のように計算されることになります。
基礎年金部分・・・おおよそ65,000円
厚生年金部分・・・おおよそ90,000円
職域加算部分+年金払い退職給付・・・おおよそ10,000円
合計・・・約165,000円
※これはあくまで一例であり、実際の受給額は個々の条件により異なります。
また、年金支給の計算式はとても複雑なので、それぞれの条件に合わせて計算していくのも困難です。
そこで、とても優秀な年金シミュレーションサイトをご紹介します。
それが厚生労働省の「公的年金シミュレーター」。
(引用:公的年金シミュレーターより)
勤続年数や年収等を入力するだけで将来の受給額の目安がわかります。
また、ねんきん定期便にも対応している為、ざっくり知りたい方はご覧ください。
年金受給額を増やす方法は?
ここからは、本来もらえる年金額をさらに増やすための方法を解説していきます。
在職中に年金受給額を増やす方法
退職後の生活をより安定させるために、在職中に年金受給額を増やすための対策も検討してみましょう。
ただし、公的年金の受給額を増やす手段は以下のように非常に限られています。
長く働いて加入期間を延ばす
厚生年金は70歳まで加入対象です。再任用等を含めて単純に加入期間を延ばすことで、年金受給額を増やすことができます。
あまり無いとは思いますが、年金と給料の合計が月50万円を超えると調整が入ってしまうのでお気をつけください
厚生年金の追加納付
学生時代に保険料の猶予を受けている人は空白期間(受給資格に通算されるが年金には反映されない)になっています。
可能な範囲で追加の年金保険料を納付することで、受給額を増やすことができます。
年金増額の手段としてはこの2点が主なことからも、老後の安定した暮らしを考えるのであれば。在職中から年金とは別に定期的に入金される仕組みを考えていくべきです。
そしてその方法はズバリ投資であると言えます。
公務員として長年働いてきた皆さんが、安心して退職後の生活を迎えられるように、しっかりと計画を立てていきましょう。
退職後に年金額を増やす方法
退職を目前に控えた公務員の皆さんにとって、退職後の生活資金をどのように確保するかは大きな課題です。
結論として退職後に年金額を増やすための方法は繰り下げ受給のみとなります。
繰り下げ受給は時期によっても増加率が変わりますので、解説していきます。
繰り下げ受給の申請
退職後に年金額を増やす最も一般的な方法は、「繰り下げ受給」です。
年金の受給開始年齢を昭和27年4月1日以前生まれの方は、65歳から70歳までの間。
それ以降の方は75歳まで繰り下げることが可能で、繰り下げる分だけ年金額が増加します。
具体的には、1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増加します。
例えば、65歳から70歳まで5年間繰り下げた場合、年金額は最大で42%増加します。
繰り下げ受給のポイント
繰り下げ期間
昭和27年4月1日以前生まれ・・・65歳から70歳までの間
昭和27年4月1日以降生まれ・・・65歳から75歳まで
※月単位で繰り下げ可能
※増額は生涯続く
※老齢基礎・厚生年金どちらか一方でも繰り下げ可能
増加率
1ヶ月につき0.7%(年8.4%)
より安定のために年金以外の収入源を作るには?
年金を増やすための手段は限られていますが、運用方法を工夫することで年金相当分の収入を確保することも十分可能です。
退職後の生活を安定させるためには、年金受給額を増やすだけでなく、他の収入源を確保することが重要です。
計画的に準備を進め、安心して退職後の生活を迎えましょう。
現役中に退職後の運用方法を考える
資産運用は時間を掛けていくことで、安定感が増していく傾向にあります。
そのため、退職後に急いで運用を考えるよりも、現役中に少しずつ積立てていく方が自然とリスクを抑えつつ、バランスを保つことが出来ます。
また、以下の点を考慮して在職中から資産の運用を行いましょう。
リスク管理
投資先を分散し、リスクを抑えることが重要です。
長期的視野
1ケ月や2カ月といった短期的な利益を追求するのではなく、最低1年以上の長期的な安定収入を目指す運用を心がけましょう。
収入源を増やす具体的な方法
退職後に公的年金を増やす方法は繰り下げ受給が基本。
とはいえ、それだけだと心もとない感じがして、他に何か良い方法はないものかと不安になりますよね。
ということで年金以外の手段で収入源を確保する方法を以下に解説していきます。
積立型の保険を活用
定期の掛け捨てタイプではなく、養老保険や終身保険等で積み立てた額を60歳以降に年金として還元されるタイプに契約しましょう。
保険料のうち一定の掛金に対しては、年末調整や確定申告で税控除があります。
また、保障以外の積立部分については保険会社が運用してくれることがほとんどです。
保険料の一部を運用に回して、満期になったら掛金以上のお金が戻ってくるタイプの保険がオススメです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
在職中の掛金が年末調整などによって所得控除の対象となるため、税金の負担を軽減しつつ将来の資金を積み立てることができます。
また、運用期間中の利益が非課税となるため、効率的に資産を増やすことができます。
老後はiDeCoの積み立て分+運用益分を受け取って生活の足しにしていきましょう。
NISA(少額投資非課税制度)の活用
成長投資枠とつみたて投資枠がありますが、投資初心者はつみたて投資枠一本で構いません。
つみたて投資枠内の商品は、金融庁がリスクが低いと認めた優良商品が取り扱われています。
この投資商品を年間120万円分まで購入することができ、総計1800万円分のつみたて投資が非課税となるため、投資の利益を効率的に増やすことができます。
別途成長投資枠が年360万円分ありますが、こちらは知識と経験が付いてきたら購入する位で構いません
一時的な下落に惑わされず、ひたすら購入し続けるだけでも、株価の差益や増配によって適度に増えていくことが期待できます。
・各種積立型の保険・・・一部積立型の保険を活用
・iDeCo・・・掛金非課税
・NISA・・・初心者オススメつみたて投資枠が年120万、総額1800万円非課税
退職後になってしまうと、いよいよ収入を増やす手段は限られてしまいます。
年金額を増やすのではなく、年金に相当する運用方法を検討することをオススメします。
投資を検討する
しつこいようですが、退職後の生活を豊かに過ごすためには、年金だけに頼るのではなく、他の収入源を確保することが重要です。
公務員としての厚生年金は安定していますが、現在の経済状況や生活費の増加を考えると、年金だけでは十分な生活を維持することは難しいかもしれません。
ここでは、投資を活用した資産運用について説明します。
なぜ投資が必要か?
資産の目減りを防ぐ
年金は支給され続ける制度ですが、年金だけで生活していくのは厳しい状況です。
場合によっては貯蓄を切り崩す必要もあり、現役中に積み立てた保険型商品なども貯まった分を少しずつ使っているに過ぎません。
一方で、投資は現在の資産を活用してさらに資産を生んでもらう仕組みです。
リスクはそれぞれあるものの、お金を増やしていくという取り組みです。
例えば、2000万円を年利5%で運用すると100万円増えます。
そして、100万円だけを年金と合わせて生活費にあてれば当初の2000万円は減りません。
また翌年同じように100万円を生んでくれる資産になっています。
ちなみに年利5%はそこそこ現実的で普通の数値です。近年は7%程度の成果が出ていました。
資産を減らさずに生活しつつ、少しでも次の世代に残していきたいと考えるのであれば、やはり投資で補っていく必要があります。
インフレ対策
現在の年金制度は、物価上昇を考慮されているものの、対応しているとは言えません。
少子高齢化の影響で対応できる財源がなく、むしろ年々支給額は下がっているという現実があります。
(引用:厚生労働省HPより)
モノの値段はご存じの通り、上がり続けることはあっても下がることは稀ですよね。
つまり、年金額が変わらないと、生活が徐々に苦しくなっていくということです。
【初心者オススメ】インデックス投資信託の魅力
投資の中でも特におすすめなのが、インデックス投資信託です。
インデックス投資信託とは、特定の株価指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託のことです。以下の理由から、退職関係なく全ての公務員に適しています。
長期的な成長が見込める
インデックスファンドは市場全体に投資するため、長期的な経済成長を享受できます。
歴史的に見ても、株式市場全体は長期的には成長してきており、インデックスファンドに投資することでその成長に参加できます。
低コスト
インデックス投資信託は、運用コストが低いことが特徴です。
手数料が少ないため、長期的な運用に向いています。
分散投資
多数の銘柄に分散して投資するため、リスクを抑えることができます。
一つの企業の業績に依存しないため、安定した運用が可能です。
成果が出やすい
攻めのアクティブファンドが市場平均を上回ることが難しい中、インデックスファンドは市場平均に連動するため、長期的には多くのアクティブファンドを上回ることが期待できます。
シンプルな運用
プロのファンドマネージャーが実際には運用するため、複雑な銘柄選びや売買タイミングを気にする必要がなく、初心者でも始めやすいです。
一度設定してしまえば「ほったらかし」でも大丈夫です。
ただ、相場に影響されて売り買いをしないことが重要です。
投資信託を始めるためのステップ
投資信託を始めるにあたって、おおまかな概要を解説します。
以下のステップを参考にしてください
投資額(余剰資金)の決定
まず、ここは守ってもらいたい部分ですが、必ず余剰資金を投資に回してください。
なぜなら、余剰資金以上の投資は余裕がなくなり、適切な判断ができなくなってしまうためです。生活費や緊急時の資金を確保した上で、投資に回せる額を決定します。
証券会社の選定
低コストで信頼性のある証券会社を選びましょう。
手数料やサービス内容を比較して選定しますが、基本はネット証券が優れています。
投資商品の選択
自分のリスク許容度に合わせて、適切なインデックス型の投資信託商品を選びます。
国内株式、海外株式、債券などの複数分野をバランスよく組み込まれたものが相場に影響されにくく、初心者にオススメです。
定期的な見直し
投資状況を定期的に見直し、必要に応じて自分の資産状況を調整します。
予想以上に成果が出ていれば、違う銘柄や商品を選択してもいいですし、もう少し余剰資金を入れられそうであれば追加で投資しても良いでしょう。
投資を活用することで、退職後の生活をより豊かに、そして安定させることができます。
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公務員の年金は16万程度、不足分は別途補おう【まとめ】
公務員の年金について解説してきました。まとめると以下の通りです。
年金支給開始年齢と受給資格
現在の年金支給開始年齢は、生年月日により異なります。以前は60歳からの支給予定でしたが、年金制度の改正により65歳に変更されました。このため、段階的に支給開始年齢を引き上げています。
特別支給の老齢厚生年金
この年金は、昭和36年4月1日以前に生まれた方が対象で、以下の条件を満たす必要があります。
- 60歳以上
- 1年以上の厚生年金被保険者期間
- 国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)
特別支給の老齢厚生年金は60歳から65歳まで支給されますが、昭和36年4月2日以降に生まれた方には適用されません。
老齢厚生年金
65歳以上の方が対象で、以下の条件を満たす必要があります。
- 65歳以上
- 1ヶ月以上の厚生年金被保険者期間
- 国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)
老齢厚生年金は65歳から生涯にわたって支給され、退職後の重要な財源となります。
平均年金受給額
厚生労働省のデータによれば、令和4年度末の平均的な年金受給額は以下の通りです。
- 全体の平均:月144,000円
- 公務員:月160,000円程度
公務員の年金受給額は加入期間が長いため、平均を上回る傾向があります。
公務員の厚生年金加入の一元化
以前は公務員が共済年金に加入していましたが、平成27年10月1日から厚生年金に統一されました。この一元化には以下のメリットがあります。
- 年金制度の維持:加入者数が増え、年金財政の安定化が図られる。
- 公平性の向上:公務員と民間企業の年金制度の違いがなくなり、不公平感が解消される。
- 転職時のスムーズな移行:公務員から民間企業への転職時に年金制度の移行がスムーズになる。
公務員の年金受給額に与える影響
年金一元化により、公務員の年金支給額にも影響があります。
- 被保険者の年齢制限:70歳までとなり、それ以上の年齢では年金の加入ができません。
- 保険料率の統一:共済年金の保険料率が厚生年金に合わせられ、公務員の負担が増加。
- 未支給年金の受け取り範囲の変更:生計を共にしていた3親等以内の親族に限られる。
- 遺族年金の転給制度の廃止:共済年金の転給制度が廃止。
- 職域加算部分の廃止と新たな制度の導入:「年金払い退職給付」が導入され、職域加算部分は廃止されました。
年金受給額の計算方法
公務の年金受給額は以下の部分を全て乗せて計算されます。
- 基礎年金部分
- 厚生年金部分
- 職域加算部分(共済年金に加入していた期間)
- 年金払い退職給付部分(新たに積み立てる部分)
例えば、35年間公務員として働いた場合の年金受給額は以下の通りです。
- 基礎年金部分:約65,000円
- 厚生年金部分:約90,000円
- 職域加算部分+年金払い退職給付:約10,000円
- 合計:約165,000円
年金受給額を増やす方法
在職中に年金受給額を増やす方法として、以下の対策が考えられます。
- 長く働いて加入期間を延ばす:厚生年金は70歳まで加入対象です。
- 厚生年金の追加納付:学生時代に保険料の猶予を受けている場合、追加の納付が可能です。
退職後に年金額を増やす方法は「繰り下げ受給」が一般的です。65歳から70歳までの間、受給開始を繰り下げることで年金額が増加します。具体的には、1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増加します。
年金制度の複雑さを理解し、適切な準備を進めることで、公務員としての退職後の生活を安定させることが重要です。
年金以外の収入源を作るには?
貯蓄型保険、iDeCo、NISAなど投資も含めて幅広く検討していくべき。
中でもNISAを活用したインデックス投資は資産を増やせる為余剰資金でオススメしたい。
年金だけでも質素な生活は可能ですが、自分だけの生活費だけではなく冠婚葬祭や思わぬ出費でなかなか計画通りの支出に収まることは少ないです。
そこで、投資でお金を増やすという考えを持っておくと選択肢が増えていくでしょう。
投資は知識があればリスクを抑えることが出来る為、堅実な投資手段でコツコツと資産を増やしていくことで、退職後においても運用益のみで生活していくことも夢ではありません。
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