地方公務員の年収は若いうちは低い?20代の平均年収について元公務員が解説

「若い時の公務員の年収が低いってホント?」
「公務員はどのくらい給料が増えていくの?」
「民間企業と公務員ぶっちゃけどちらが給料高いの?」
など気になっていませんか?
私も採用当初は、これからどのくらい給与が増えていくのだろうと、期待に胸を膨らませていました。
そんな疑問をこの記事で解説していきます。
結論としては、公務員の給与は順調に上がっていきますが、若いうちはそう高くなく、300万~400万の間。
また、給与の上り幅は非常に緩やかで、最終的には中小の民間企業よりやや高めで落ち着くといったイメージです。

民間企業以上に貰いすぎることの無いよう適度な年収帯で調整されているんです。

私は長年地方公務員として働き、給与改定を毎年のように経験してきました。
この記事で若手公務員の給与事情が分かります。
経験も含めた内容をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください
【結論】20代の地方公務員の年収はこのくらいです

それでは早速20代地方公務員の年収を統計を基に見ていきます。
地方公務員の年収は、職種や勤務地、経験年数によって異なりますが、一般的な20代の年収は大卒と高卒で以下のようになっています。
20代の地方公務員の平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 288万円 |
大学卒 | 303万円 |
(参考:総務省)
大学卒と高校卒で給与が違うのは学歴というよりも、地方公務員の給与体系が過去の学生期間を含めた履歴が経験年数に換算されるためです。
この他にも、民間企業の勤務経験や在家庭であっても経歴年数に加味され基本給が決まります。
また、この年収には
基本給・ボーナス・各種手当
が含まれています。
ちなみに、一般的な市役所勤務の職種よりも、警察官や消防士などの危険度の高い職種の方が、特別な手当が付くなどして、年収は高くなる傾向にあります。
公務員の手当は何がある?【種類と年収への影響】

基本給とは別に各種手当が存在しますが、その手当はどのように年収に影響してくるか解説していきます。
一般的な手当の種類とその金額
手当は大きく分けて、業務に従事したことによる実績手当と、扶養や通勤などの基本的な手当に分類されます。
これらの手当は、月給に加算されることで年収全体に大きな影響を与えます。
実績手当の例(業務に従事した実績に基づく手当) | |
---|---|
特殊勤務手当 | 特定の業務に従事する場合に支給される手当です。例えば、災害対応や夜間勤務など、特別な業務に対して支払われます。金額は1日あたり数千円程度が一般的です。 |
超過勤務手当 | 通常の勤務時間を超えて働いた場合に支給されます。これも数千円から数万円まで、勤務時間に応じて変動します。 |
基本的手当の例(扶養や通勤などの日常生活に関連する手当) | |
---|---|
扶養手当 | 配偶者や子供など扶養家族がいる場合に支給される手当です。 扶養家族の人数や状況に応じて金額が決まり、数千円から数万円が支給されることがあります。 |
通勤手当 | 自宅から職場までの通勤にかかる費用を補助する手当です。通勤距離や交通手段によって異なり、数千円から数万円が支給されることが一般的です。 |
住居手当 | 賃貸住宅に住んでいる場合に支給される手当です。 家賃の一部を補助する形で支給され、金額は家賃の1/3~1/2程度が目安です。(上限あり) |
地域手当 | 勤務する地域の物価や生活水準に応じて支給される手当です。(月給の〇%)都市部では高額になることが多く、数千円から数万円が支給されます。 |
これらの手当は、月給に上乗せされることで年収に大きな影響を与えます。
例えば、通勤手当や住居手当などは毎月支給されるため、年間では数十万円の差になります。

実績手当も、部署や勤務状況によってはかなりの額が加算されることがあるため、参考の平均年収以上になることもあります。
公務員の年収を決める昇給の仕組み

公務員の給与は経験年数が上がるほど、給料表に沿った号給が増えていきます。
公務員の昇給の仕組みを簡単に説明すると・・
・昇給の機会は原則1回。
・上がり幅は2000~8000円
・民間企業との比較で調整される
・勤続年数によって上振れあり
といったイメージです。
なお、どれほど評価が高くても、勤続年数に応じたベース(給料の基本額)を超える事はほとんどありません。

同じ職位で、後輩が先輩の給料を超えることはないですね・・
また、役職によって最高号給が定められており、ある一定の所で昇給の上限を迎えます。
昇給の仕組みについての詳細はコチラの記事で紹介しています。

【要注意】20代地方公務員の生活費と収入のリアル

ここで実際の若手公務員の生活状況を、私の経験や同僚の話も踏まえてご紹介していきます。
給与明細の総支払額よりも手取り額は少ない
毎月の給与明細を見ると、総支払額はそこそこあるように見えますが、それに比べて手取り額が少ないです。
なぜそのように感じてしまうかというと、給与支給時に合わせて控除されているものが多いからです。
【給与から自動的に控除される主なもの】
・社会保険料(共済掛金)
・所得税
・住民税
そのため、年収を12で割って毎月の使えるお金を算出するのは誤りで、実際はもっと少ない中で生活していることになります。
特に、若いうちは残されたお金でやりくりするのは意外に苦労すると思います。

私も20代の頃はちょっと外食が重なるとお財布がピンチになることもありました・・
本自治体では車を持っている人がほとんどでした。
加えて、新社会人の多くはローンを組んだり、親に一時的に立て替えてもらったりと既にマイナスの状況からスタート。
採用されて数年間は、「なかなか自由に使えるお金が無い」と嘆いていました。
このように、手取りと総支給額には差があることを理解しておきましょう。
(なお。チラシ等で出ている給料の額は総支給額です)
収入と毎月の生活費の支出事例
地方公務員として働く20代の給与と生活費のバランスを見ていきます。
特に、実家暮らしと借家暮らしでは生活費の内訳や貯金のしやすさが大きく異なります。
ここでは、実際の生活費を例に挙げながら、現状について詳しく見ていきましょう。
実家暮らしの場合
実家暮らしの利点は、家賃や光熱費がかからないことが多く、比較的余裕を持って貯金に回せます。
【収入】
月給(保険料等控除後): 約18万円
手当(基本・実績含む): 約2万円
収入合計: 約20万円
【支出】
食費: 約3万円
交際費: 約2万円
交通費: 約1万円
携帯電話代: 約1万円
その他雑費: 約3万円
支出合計:10万円
月間貯金可能額:約10万円
借家暮らしの場合
借家暮らしになると、家賃や光熱費が重く、貯金額が少なくなりがちです。
【収入】
月給(保険料等控除後): 約18万円
手当(基本・実績含む): 約2万円
収入合計: 約20万円
【支出】
家賃: 約3万円(住居手当超過部分)
食費: 約4万円(自炊減)
交際費: 約2万円
交通費: 約1万円
携帯電話代: 約1万円
その他雑費: 約4万円(借家消耗品増)
支出合計:15万円
月間貯金可能額:約5万円
借家暮らしの場合、家賃や光熱費がかかるため、月に約8万円の貯金が可能です。
もちろん、地域や住まいの条件によって変動しますが、実家暮らしと比べて貯金額は減少します。
このように、実家暮らしか借家暮らしかで生活費と貯金額は大きく変わります。

個人的には採用されてから数年間は実家暮らしができるなら、蓄えを作っていくのもアリだと思っています。
いずれの場合も贅沢は難しいですが、計画的に節度のある生活を送っていれば、安定した生活を送ることができます。
20代の内は、自分のライフスタイルに合わせた収支バランスを見直し、計画的にお金を使うことが大切です。
【20代以降】公務員の年収と将来の見通し

20代の地方公務員の皆さんにとって、今後の昇給と将来の収入の見通しは気になるところです。
ここでは、総務省の統計データをもとに、30代以降の収入の推移と将来の展望について詳しく解説します。
年代別平均年収の推移
地方公務員の昇給は、年次昇給や昇格によるもので、安定した収入増加が期待できます。以下は、総務省の統計による年代別の平均年収です。
30代の地方公務員の平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 423万円 |
大学卒 | 434万円 |
40代の地方公務員の平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 583万円 |
大学卒 | 595万円 |
50代の地方公務員の平均年収 | |
---|---|
高校卒 | 602万円 |
大学卒 | 626万円 |
このデータからわかるように、年齢とともに着実に収入が増加していきます。
特に、30代から50代にかけて年収が約200万円以上増加しています。
20代は我慢の時期
20代の公務員の年収は、地方の場合であれば手取りで月18~20万円前後、年収で約350〜400万円程度が一般的です。
決して高いとは言えず、同世代の民間企業の営業職などと比較しても、昇給スピードやボーナス額で見劣りするケースもあります。
そのため、
「思っていたより余裕がない」
「生活にゆとりがない」
と感じる若手公務員は少なくありません。
しかし、この時期は“将来への投資期間”と捉えるのが大切です。
公務員の大きなメリットは、年齢を重ねるごとに安定して昇給し、40代以降には年収600〜700万円台に届くケースも珍しくない点です。
また、退職金制度や年金の安定性もあり、長期的に見れば「給与が下がるリスクがほぼない」という点は非常に大きな安心材料です。
とはいえ、20代は住宅購入や結婚、子育ての準備など、出費の多いライフイベントが集中する時期でもあります。
だからこそ、この「我慢の時期」をどう乗り切るかが将来の家計に大きな影響を与えます。
無理のない支出管理を行いながら、副収入や資産運用を検討するのも一つの方法です。
将来の見通しが比較的明るい職種だからこそ、焦らず堅実な家計管理とキャリア設計を意識することが、公務員としての人生をより安定させるポイントになります。
地方公務員の年収比較

ここで、民間企業と比較した場合の公務員の年収を見てみましょう。
地方公務員と民間企業の年収比較
市役所職員と民間企業の平均年収 | |
---|---|
市役所職員 | 631万円 |
民間企業 | 458万円 |
民間企業に勤務した給与所得者の平均年収は458万。
うち男性563万円・女性314万円となっています。
(参考:国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査結果)
一方、市役所職員の平均年収は約631万円ですので、民間企業平均よりも高いですね。
特に男女で見た場合に、公務員と民間企業は大きな差が出てきます。
地方公務員と国家公務員の年収比較
市役所職員と民間企業の平均年収 | |
---|---|
市役所職員 | 631万円 |
国家公務員 | 666万円 |
総務省の給与実態調査から比較してみますと、地方公務員と国家公務員の相当職である一般職の2つにおいて大きな違いは見られませんでした。
市役所職員の平均年収は約631万円
国家公務員の平均年収は約666万円
この35万円の差は、人口の多い都市で働くことによる数%の地域手当の差だと推察できます。

実際に東京都内と地方では、やや物価を考慮して地域手当で大きな差が付きます。
よって、基本給だけでいうと違いがないことが分かります。
公務員の収入に物足りなさを感じたら「守って増やす」

安定した収入が得られる一方で、収入に物足りなさを感じることはありませんか?
公務員は
・年1回の定期昇給
・副業制限
となっているため、なかなか増やす方向にシフトできないジレンマがあります。
しかし、公務員の大きな強みは、安定した雇用と定期昇給による「守りの強さ」にあります。
そこで、視点を「増やす」から「守る」に変えることをオススメします。
なぜなら、収入を増やすことと、支出を減らすことは同じことだからです。

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そのため、知識がないまま株やFXで「攻め」のリスクを取るよりも、支出を最適化して堅実にお金を残すことこそ、最も効率的な資産形成の第一歩です。
たとえば
・保険や定期料金(固定費)の見直し
・住宅ローンの借り換え
・日々のコンビニ買いや外食の最適化
etc…
など、支出を抑えつつ賢くお金を「守る」方法は数多くあります。
そして、守ったお金を攻めに回す。
ただし、その判断には専門的な知識と適切な行動が必要不可欠です。

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20代地方公務員の給与は高くないから守って増やす【まとめ】

20代地方公務員の平均年収について解説してきました。
まとめると以下の通りです。
〇20代地方公務員の平均年収について
20代の地方公務員の年収は以下の通り。
大卒: 約303万円
高卒: 約288万円
ボーナスおよび各種手当込み
地方公務員の平均年収は、職種や勤務地、経験年数によって異なる。
特に、警察官や消防士など危険度の高い職種は特別な手当が付き、年収が高くなる傾向。
〇手当の種類と年収への影響
地方公務員の給与には、基本給のほかにさまざまな手当が含まれています。手当は大きく分けて、実績手当と基本的な手当に分類され、月給に加算されることで年収全体に大きな影響を与えます。
実績手当の例:
特殊勤務手当:数千円程度
超過勤務手当:数千円から数万円
基本的手当の例:
扶養手当:数千円から数万円
通勤手当:数千円から数万円
住居手当:家賃の1/3〜1/2程度(上限あり)
地域手当:数千円から数万円
これらの手当は年収に大きな影響を与え、場合によっては平均年収を大幅に上回ることもある。
〇公務員の昇給の仕組み
公務員の給与は経験年数が上がるほど増加し、昇給の機会は年に1回、上がり幅は2,000〜8,000円が平均。
役職によって最高号給が定められており、一定の所で昇給の上限を迎える。
〇20代地方公務員の生活費と収入のバランス
給与明細の総支払額に比べて手取り額が少ないと感じるのは、控除が多いためです。
控除の例:
社会保険料(共済掛金)
所得税
住民税
これらの控除を差し引くと、手取り額は総支払額よりもかなり少なくなります。
また、実家暮らしと借家暮らしで生活費と貯金額は大きく異なります。
実家暮らしの例:
月収: 約20万円
支出: 約10万円
貯金可能額: 約10万円
借家暮らしの例:
月収: 約23万円
支出: 約15万円
貯金可能額: 約8万円
〇20代以降の昇給と将来の見通し
総務省の統計からも、30代から50代にかけて年収は着実に増加することが分かる。
30代の平均年収:
大卒: 約434万円
高卒: 約423万円
40代の平均年収:
大卒: 約595万円
高卒: 約583万円
50代の平均年収:
大卒: 約626万円
高卒: 約602万円
これらのデータからわかるように、年齢とともに収入は増加していく。
20代のうちは我慢の時期であり、場合によっては民間企業の方が上回る可能性もあります。
一方で、先々の公務員の年収が分かったところで収入そのものが増加するわけではありません。
そこで、守ってから増やすという方向にシフトチェンジするのがオススメ。
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