公務員は発達障害の人も結構働いていると感じた件【元公務員が解説】
「自分は発達障害かもしれないけど、公務員としてやっていけるかな…?」
「職場の人にどう思われるか不安だし、評価が下がったらどうしよう」
「もし発達障害と診断されたら、いきなりクビになるなんてことはないよね…?」
このような不安や悩みを抱えていませんか?
発達障害はなかなか他人に理解されにくく、職場の同僚との接し方は特に気になるポイントですよね。
ですがご安心ください。
なぜなら、公務員として発達障害と向き合いながら働いている方が結構います。
自分で分かっている人もいますし、周りからそう思われている人もいますし・・
実際に、公務員には発達障害の診断は受けていないけれど、特徴を持つ「グレーゾーン」の方も結構いるように感じます。
また、周囲の理解を得るために、専門医での受診を通して自分の特性をはっきりさせるのもひとつの方法です。
私も公務員として20年以上のキャリアを持ち、多くの職員を見てきました。
その経験をもとに、あなたが安心して働けるための情報をお伝えします。
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発達障害でも公務員として働くための支援体制がある
障害者雇用枠での採用と合理的配慮について
平成25年に障害者雇用促進法が改正されました。
そして平成28年4月より事業主に対して、雇用分野における障害者に対する合理的配慮の提供が義務付けられています。
これにより、発達障害を抱える人が公務員として働く際に、「障害者雇用枠」で採用される場合があります。
この雇用枠は、障害者手帳を持つ人が対象となる採用枠で、採用時や職務中に合理的配慮を受けることができるのが特徴です。
合理的配慮とは、発達障害を持つ人が働きやすいよう、職場が工夫していく対応です
たとえば、業務の困難度に合わせて配置転換したり、難しい業務を分かりやすい手順に分けるなど、発達障害の特性に応じた配慮を推進しています。
合理的配慮の内容
- 業務指導や相談に関し、担当者を決めること
- 業務指示・作業手順の示し方を工夫すること
- 本人の状況に応じて業務量を調整すること
- 職場内での作業や移動の負担を軽減すること
- 出退勤時刻・休憩・休暇に関し、通院・体調に配慮すること
- 他の労働者に対して、障害の内容や必要な配慮等を説明すること
(引用:総務省「公的機関における障害者への合理的配慮事例集」より)
発達障害があることで働くことに不安を感じている方も、こうした支援を受けながら仕事を続けられるのが公務員の魅力です。
通常採用でも発達障害の「グレーゾーン」を結構見かける
通常採用でも発達障害の要素を感じる人も
障害者雇用枠ではなく「通常採用」の形でも、発達障害の特性を持った方が公務員として働いているように感じています。
こういった方々の中には、「何故かわからないが、仕事をしにくい」と何となく感じている人達もいます。
しかし、自分では判断が難しく、特に診断を受けようとしていないので、発達障害の「グレーゾーン」にあたります。
こういった方々も仕事上の支援を特に受けることなく、職務に適応しようと努力して働いているケースが時折見られます。
苦手な業務もある一方で、得意な業務もあると言っていました
発達障害の診断がないことで、時には周りからの理解を得にくいこともありますが、自分なりに経験則に基づいて働くことで、自身の特性に合った働き方を見つける方も多いです。
発達障害を抱える公務員の実態
発達障害のグレーゾーンで働く人の中には、業務や人間関係で苦労することもあります。
なぜなら公務員の世界では、「暗黙のルール」や「気配り」が求められることが多いためです。
発達障害の特性からその点に理解が及ばず、困難を感じることも少なくありません。
いわゆる「空気を読む」ということが難しいです。
実際にあった出来事
ある時、至急の書類を他部署に届けるよう依頼されました。
しかしその後、別の要件で一時的に対応していた結果、すっかり書類の提出をすっかり忘れてしまうことがありました。
しかも、肝心の書類の行方も本人には分からなくなってしまいました・・・
その後、複数の職員で書類探しに奔走し発見。
何とか事なきを得る事ができました。
当の本人はというと・・そこまで大事だったという感覚はなく、淡々としています。
その後も、担当業務のフォローに多くの職員が関わり、業務を回していました。
このようなことが多忙な時期に重なると、職場全体がピリピリしてくる雰囲気を感じました。
明確な線引きが無いのもツラい
上記のような事例から、他の職員と同様の業務を任され期待されるのは、自他共にツラくなる場合があります。
何となく仕事がデキないと判断され、その結果同僚や住民との人間関係に亀裂が入ってしまうこともあります。
ミスを繰り返す職員に、大きな仕事は任せられない状況になります
これはあくまで一例ですが、発達障害の程度によっては周囲の職員の協力でカバーしている所属は実態として結構あります。
率直に、この状態が続いていて、人間関係が良好になることはありません。
であるならば、積極的に専門機関より診断を受けても良いと思います。
その結果少しなりとも発達障害の要素があるとなったのであれば、その旨を上司に伝え、組織全体からの配慮で仕事を進めていくのも1つの方法です。
明確な線引きがされず、中途半端な状態が一番ツラい状況になる場合があります。
何か違和感を感じているのであれば、一度自分の状態を把握するためにも積極的に受診することも1つの方法だと考えます。
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発達障害を抱える公務員が気を付けるべきこと
周りが理解してくれず評価を下げてしまう
発達障害を抱えていると、周囲の人に特性を理解してもらうのが難しいことが多く、職場での評価が下がってしまうリスクも考えられます。
特に、公務員の職場では「きちんとした対応」や「柔軟な対人コミュニケーション」が求められるため、発達障害の特性が目立ってしまう場合があります。
- 注意すべき点
- 周りの期待に応えられず、誤解を受けやすい
- 特性を理解されにくく、結果として評価に影響が出やすい
- 指示の意図を誤解して、結果が異なる場合がある
そのため、自分がどのような点で苦労するのか、これまでの失敗事例をまとめておき、上司や同僚にに事前に相談しておくことが役立つこともあります。
上手くいかない原因を全部他者のせいにする
何か上手くいかないと感じた時に、自分に全く非が無いと思ってしまうのは、実は発達障害のよくある傾向です。
その結果、自分以外に責任があると思って対応を誤ってしまうことがあります。
とはいえ、相手の事情や気持ちを読み取るのが難しいんですよね・・・
これは人間関係を悪化させる原因でもあるので、対策をしたいところです。
「自分責任」思考のススメ
オススメしたいのは「自分責任」思考の固定です。
ポイントは3点です。
- 何かトラブルが起きた時、原因や責任の所在というのは問題にしない。
- 常に「1%でも何か自分に非があるのかもしれないな・・・」を意識
- この思考パターンを固定する。
これを実践することで人間関係が円滑になります。
思考のポイントは、実際に自分が悪いかどうかは問題ではなく、そのような気持ちで歩み寄っている姿勢が大事だということ。
サービス業には比較的必要なマインドなので、活用してみてください。
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発達障害が後々判明すると公務員をクビになる?
発達障害かどうかわからないけど、診断結果でその後クビになったりしない??
このように診断をためらってしまいそうですが、その必要はないのでご安心ください。
結論として、発達障害の診断が後から判明しても、クビになることは基本的にありません。
一般的に公務員のクビというのは、懲戒処分や分限処分の「免職」にあたりますが、簡単に言えば不祥事や信用失墜にあたる行為です。
責任を問われない限りはクビになりませんので、ご安心ください!
むしろ、発達障害を把握することで、自分に必要なサポートが明確になり、自己理解と所属のサポート体制が深まります。
また、後からでも発達障害と診断されたことで、勤務する上で必要な合理的配慮を受けやすくなるため、安心して働き続けられる環境が整いやすいです。
発達障害を抱えた公務員でも安心して働くコツ
発達障害であることを診断で確定させる
発達障害を診断で確定させることには、いくつかのメリットがあります。
というのも、グレーゾーンで働き続けるのは結構苦しいです。
自分の特性とは裏腹に、周囲から単純にネガティブに見られてしまうこともあります。
特に、公務員として働く中で困難を感じる場面がある場合、その理由を知り、対応策を講じるためには、専門の医師による診断が有効です。
- 診断のメリット
- 職場のサポートが得られる
診断によって発達障害が確定すれば、障害者手帳の取得も視野に入れることができ、職場での合理的配慮や支援の申請がしやすくなります。 - 自分の特性を深く理解できる
診断により自分の得意・不得意が明確になり、ストレスを減らす工夫やタスクの取り組み方を見つけやすくなります。 - 支援機関の利用が可能に
発達障害を抱える人向けの就労支援や相談窓口を利用しやすくなり、外部のサポートを得ながら働くことができます。
- 職場のサポートが得られる
公務員として働く際に、こうした診断を通じて自己理解が進むことで、職務上の困難を減らすための工夫やサポートがより充実するでしょう。
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周囲とのコミュニケーションや支援を活用する
公務員として働く上で、上司や同僚とのコミュニケーションは非常に大切です。
発達障害の特性が原因で誤解や行き違いが起きないようにするため、具体的な方法を取り入れましょう。
自分の能力を発揮できる具体的な方法を伝える
何となくや上手に処理する方法や雰囲気が掴みにくい場合には、自分の理解できる方法をズバッと伝えてみるのも手です。
たとえば、
「業務の指示は口頭よりもメールや文書でまとめていただけると助かります」
など、自分がより理解しやすいようなサポートを、お願いするという方法です。
また、必要に応じて特定の業務や困難に感じる状況について、上司や同僚に事前に相談することで、サポートが得やすくなります。
フィードバックを積極的に求める
雰囲気を感じ取るのが苦手な場合には、業務内容や進行について、同僚の確認やフィードバックを積極的に求めると安心です。
・相手のニーズを満たせているか
・気を付けるべき点はあったか
など、定期的な振り返りを通じて職務への理解が深まり、改善点を見つけることも可能です。
また、公務員業界は仕事を前向きに頑張っている人を応援してくれる風潮があります。
謙虚に一生懸命仕事を覚えようとしている人を無下にすることは基本ないので、助言を聞きながら粘り強く業務にあたっていくようにしましょう。
自治体の支援制度を活用する
公務員の職場では、産業医やカウンセラーによるメンタルヘルスの支援や、相談窓口が用意されていることが多いです。
私が勤めていた自治体では、カウンセラーの相談料が無料でした。
そのような福利厚生による支援制度を上手に活用するのもオススメです。
周囲と良好な関係を築くことで、困ったときに相談しやすくなる環境を作ることができます。
公務員の仕事がどうしても合わないと感じたら・・?
何をどう頑張っても、公務員の仕事が自分に合わないと感じることもあります。
その場合、無理をして続けるよりも、自分に合った働き方を見つける意識が重要です。
発達障害の特性に合った業務に就くことで、ストレスを減らし、より生産的に働けるようになります。
発達障害を強みに変える!前向きな転職
発達障害の特性を強みに変えて、自分に合った仕事に転職することも視野に入れてみましょう。
転職によって発達障害が活かせる仕事や職場に移ることで、自分の特性をプラスに活かしやすくなります。
- 特性に合った職種を探す
発達障害の中でも、得意な作業がある場合は、その分野に特化した仕事を見つけるのも効果的です。
細かな作業に集中できる場合や、ルーチンワークが得意な場合などは、それが強みとなる仕事に挑戦してみましょう。
- 発達障害の支援機関のサポートを活用する
就労移行支援などの支援機関では、発達障害の特性に応じたキャリアカウンセリングを行っている場合があり、転職時のアドバイスも受けられます。
無理に今の職場にこだわるのではなく、自分に合った環境で自分らしく働くことを意識し、発達障害を強みに変えていくキャリアを築くことが可能です。
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働きやすくするコツは自分を知ることから【まとめ】
公務員の発達障害について解説してきました。
まとめると以下の通りです。
· 公務員として発達障害を抱えながら働く支援体制
- 発達障害者は障害者雇用枠で採用されることで合理的配慮を受けられる。
- 配慮内容には、手順説明やサポート、定期的な相談が含まれ、働きやすい職場環境が提供される。
· 通常採用でも発達障害のグレーゾーンにあたる職員が多くいる
- 障害者雇用枠でなく通常採用された中にも発達障害の特性を持つ職員が見られる。
- 「グレーゾーン」と呼ばれる未診断の職員が働いている場合も多く、評価を下げるリスクもあるが、工夫を重ねることで適応している。
· 公務員の職場で発達障害がもたらす困難と実例
- 発達障害のある職員は業務や人間関係でのトラブルが起こりやすい。
- 忙しい時期にミスが重なると同僚や住民との関係に影響が出ることがある。
· 発達障害を抱える公務員が気をつけるべき点
- 特性が理解されないと評価が下がりやすく、コミュニケーションが難しいこともある。
- 事前に上司へ相談や自分の特性を伝えておくと、業務に対する誤解が少なくなる。
· 発達障害が判明しても公務員を解雇されることは基本的にない
- 発達障害と診断されても、懲戒処分でない限り解雇されることはない。
- 診断により必要なサポートを受けられることがあり、職務を続けやすくなる。
· 発達障害を抱えた公務員が安心して働くためのコツ
- 診断を受けることで職場の理解を得やすくなる。
· 周囲とのコミュニケーションや支援制度の活用法
- 業務指示をメールで依頼するなど自分の働きやすい方法を伝える。
- フィードバックや産業医・カウンセラーの支援制度を積極的に利用する。
· 職場が合わないと感じた場合は無理をせず、適職を見つける
- 異動やキャリアプランの見直しを行い、自分に適した働き方を見つける。
- 発達障害を強みに転職することも視野に入れることで、特性に応じたキャリア形成が可能となる。
何となく人間関係が構築しにくいと感じた場合には、自己理解を深めるためにも自分が発達障害なのかどうかを判断してもらう機会をつくることをオススメします。
周囲から理解されずに働き続けるよりも配慮を受けて勤めていく方が良い場合もあります。
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