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働き方

公務員が休みすぎだと言われる件について【元公務員の所感】

公務員 休みすぎ
matauemoon

「公務員って休み多すぎない?」
「公務員は休日がたっぷりあって、仕事が楽そうで羨ましい…」
「民間企業で働いているけど、公務員は休みすぎ」

このように感じたことがある方は多いかもしれません。

確かに、私も当初は公務員は豊富な休暇が用意されていると感じました。

しかし、長年働いていると、たくさん休めているとは言い難い実情が見えてきます。

なぜなら、制度上は用意されていても、実際にそのすべてを取得できていないからです。

公務員として20年以上勤めてきた私の経験からも言えるのは、多くの公務員は「休みすぎ」と感じるほど休んでいないということです。

この記事では、公務員の実際の休暇事情について詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 公務員の休暇種別
  • 公務員の休暇取得事情

この記事を読むことで

  • 公務員の休暇に対する実態が分かり、民間企業との違いが明確になる。
  • 多くの自治体で抱える休暇に関する課題を理解できる

現場の経験に基づいたリアルをお伝えしますので、ぜひご覧ください。

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公務員が休みすぎかどうかは人による

公務員 休みすぎ

公務員が「休みすぎている」ように見える理由

公務員は「休みすぎ」と思われがちですが、それにはいくつかの理由があります。
まず、公務員の勤務はカレンダーに依存する部分が大きく、土日祝日に窓口や外部対応を閉めていることが多いです。

また、特別休暇や年次休暇など、豊富な休暇制度が用意されています。

これにより、外部からは

とある住民
とある住民

いつも休みだなぁ・・こっちは急ぎなのに。

このように「休みが多い職業だ」と見られがちです。

しかし、公務員の職務上、重要な業務や緊急対応が伴い、すべての休暇を取るのは難しいことが多々あります。

実際には「休暇を取っている」状態としながら、間に合わない業務や会議のために出勤していることもあります。

このような「権利として存在する休暇」と、実際の仕事量とのバランスが取れず、休暇取得率が低くなっているケースもあります。

同僚の中には、年間に年次休暇が20日付与されたものの、そのうちの3日しか取得できず、土日も出勤していた者もいます。

そのため、すべての公務員が「休みすぎている」とは一概に言えないのが実情です。

実際には休めない公務員の現実

上述したように、実際には休暇を取れない公務員も少なくありません。

特に多忙な現場で働く職員や、責任の重い立場にある人は、仕事量が多く、休暇を取りづらい状況に置かれています。

例えば、緊急時に対応する職員や、重要なプロジェクトを担当している場合、休暇中でも仕事にいかなければならないこともあります。

また、上司や同僚の目を気にして休暇を取りにくい職場文化も影響しています。

一方で、休む人は休みます。

与えられた休暇は権利であるから、有給は繰り越さないという職員もいます

ただ、そうなると組織的に業務をこなしているので、どこかしらに支障が出ます。

すると、穴を埋めるようにフォローするのは周囲の同僚になるわけです。

つまり、皆同じ休暇の権利はあるものの、特定の人が権利を行使すると、他の職員にしわ寄せが行き、休みたくても休めないという状態に陥ります。

特に、若手公務員や新しい部署に配属された職員は、仕事にも慣れなければならず、上司や同僚に遠慮して、休暇を取りにくい傾向があります。

このように、制度は整っているものの、実際に休暇を取ることができるかは、職種や立場、部署によって異なります。

公務員組織の中でも様々な事情により、休んでいる人と休んでいない人で二極化していることもあります。

公務員の休暇の種類自体は多いが・・

公務員 休みすぎ

公務員の休暇の種類

公務員には、年次休暇(有給休暇)のほかに、特別休暇、療養休暇、介護休暇など、多様な休暇制度が整備されています。

これらは公務員の福利厚生の一環として提供されており、制度自体は非常に充実しています。

  • 年次休暇:20日間の有給休暇を取得可能
  • 特別休暇:結婚、忌引、感染症など、特定の理由に基づいて取得できる
  • 療養休暇:病気やケガの際に取得できる
  • 介護休暇:家族の介護を理由に取得可能
  • 職務専念義務免除:健康診断や役員用務で取得できる

実際にすべての休暇を使い切ることは困難ですが、これらの制度は、働く公務員にとって大きなメリットです。

休暇の種類も増えている

さらに、近年ではワークライフバランスを考慮し、休暇制度も少しずつ拡充されています。

例えば、看護休暇の対象範囲拡大や上限日数の増加、育児短時間勤務制度など、家族や個人の事情に合わせて柔軟に休暇を取得できる制度が導入されています。

また、療養休暇についても関連性や連続性の有無で、取得できる日数も大きく変わってきます。

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これにより、体調を崩しやすい職員や、家庭を持つ公務員にとっては、より働きやすい環境が整いつつあります。

欠員が出た時の補充が無いと厳しい

休暇に関する新しい制度も、実際に取得できるかどうかは、職場の文化や状況に依存しています。

なぜなら、欠員の補充が無いと、より少ない人員で業務を分散して負担することになるからです

長期休暇取得時の代替職員が補充されなければ、他の職員に業務のしわ寄せがいくだけです。

また、近年は、公務員の人員確保も課題となっており、人気が無くなってきていると言われています。

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本来は職員が1名加配されても良いのですが、人がおらず欠員が発生したまま、運営している所属もあります。

人がいなければ補充することもままなりません。

こうなると、なかなかまとめての休暇は取りにくくなります。

繰り返しになりますが、制度上増えたとしても、業務量の問題で取得しやすい環境がなければ、行政サービスは低下してしまうため、休暇を利用することが難しくなってしまうのが現実です。

公務員が年間で休める日数

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公務員の年間休日数【2024年版】

公務員の年間休日日数は、2024年度では土日祝日、夏季休暇、年末年始、有給休暇を含めて、約129日とされています。

実際には人によって特別休暇を取得する場合もあるので、もっと増えることもあります。

1年間のうち約1/3が休める計算なので、この数字は一見多いように感じますが、これは制度上の休日・休暇をフルに消化した場合の話です。

※会計年度職員や特別職は別途休暇日数が定められています。

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公務員の平均休暇取得状況の実情

総務省による「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」から休暇取得状況を見ると、平均的な取得日数は以下の通り

地方公務員・・・12.6日/年

国家公務員・・・15.5日/年

20日の年次休暇が与えられているにもかかわらず、多くの公務員がすべての休暇を使い切れていないということがわかります。

また、調査報告用と実際の状況には違いが出ることもあります。

正直、この数字を鵜呑みにして公務員を志望すると、現実とのギャップに苦しみます。

どういうことかというと、国としては休暇を促進したいので、一定以上の取得日数を求めています。

そのため、報告時に著しく低い数字を出せないなどということも・・。

有給休暇を取得したこととして、実際は普通に勤務している・・・などということも、あり得なくはない。という事です。

※全ての自治体で行われているということではないので、ご了承ください。

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民間企業と比較して本当に休みすぎ?

民間企業の休暇・休日について調べたところ、年間休日が120日以上ある会社の割合は、会社規模によって差がみられます。

〇年間休日が120日以上ある会社の割合

1,000人以上の会社・・51.0%

・100~299人の会社・・34.1%

・30~99人の会社・・26.9%

〇民間企業の平均の取得日数

10.9日/年

となっています。

民間企業と比較すると、公務員の休日数・取得日数ともに多いね・・

しかし、実際の有給休暇や特別休暇の取得状況を考慮すると、そこまで大きな差は出ないでしょう。

企業や業種によっては、ライフワークバランスを重視しており、公務員以上にまとめて休暇が取りやすい場合もあると聞きます。

知人の企業ではまとめて土日含めて10日間を取っていたけれど、公務員はなかなかそこまで連続して取得することは難しい気が・・・

結果として双方の比較は難しいですが、公務員だけが休み過ぎているとは断言できない状況です。

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公務員の休暇に対する世間の印象と実態

公務員 休みすぎ

公務員が休暇を多く取っているように見えるのは、さまざまな誤解から生じています。

ここでは、公務員の休暇に対する代表的な例と、その現実を見ていきます。

担当者がよく休みを取っていて不在

よく見られるシーンとして、問い合わせの際に

「担当職員が休暇をとっており、不在です」

と説明されることがあります。

これが「いつも休んでばかりで暇なの?」と思わせる一因になっています。

しかし、この場合に考えられることとして、担当者が休暇扱いでその場にいないだけで、別の仕事や他の業務に追われているケースもあります。

例えば、職員組合の活動や任意団体の会議は、有給を使うことになっている自治体もあります。

休暇を取得して羽を伸ばしているように感じますが、実際には他の役員用務をこなしていることもあるのです。

しかし、そのような情報は外部には伝わらず、「休んでいる」という情報だけが伝わるので、内部の事情との誤解が生じるのです。

職種・立場・部署等で休む人と休んでいない人がいる

公務員の休暇取得状況は、職種や立場、部署や職員の働き方によっても大きく異なります。

日常的に多忙で休暇を取りづらい状況もあるわけですが、これに加えて、個々の環境や仕事に対するスタンスによっても、大きく差が出る要因となっています。

公務員の権利を行使すると決めている人はどんな状況でも休みますし、帰ります。仕事は仕事と割り切っているんですね。

つまり、同じ課の担当者でも、不在でよく休む人は権利をなるべく使おうとしている人で、計画的に休もうという意思のある人です。

一方で、責任感がとても強く何でもやり切ろうとしてしまう人は、休みをあまり取らない印象があります。

あるいは、部署の人員が少なかったり、管理職や中堅職員は後輩の休暇を優先してフォローに入る等、休暇を取れるかどうかは環境によって変わります。

休みすぎては・・いないと思う 【まとめ】

公務員休みすぎ問題について解説してきました。まとめると以下の通りです。

  • 公務員が「休みすぎている」と見える理由
    • 公務員の仕事はカレンダーに依存する部分が多く、土日祝日は窓口業務が閉まっているため、休暇が多い印象を与える。
    • 公務員には豊富な休暇制度があり、年次休暇や特別休暇などの制度が整っている。
    • 実際には、重要な業務や緊急対応が発生するため、すべての休暇を取得できる公務員は少なく、一部の公務員はほとんど休暇を取れないことが多い。
  • 実際に休めない公務員の現実
    • 多忙な部署や責任のある職員は、休暇中でも仕事に戻ることがあり、制度上の休暇が取れないことが多い。
    • 一部の職員は与えられた休暇をしっかり取る一方で、その穴を埋める形で同僚が負担を背負うことがある。
    • 特に若手職員や新しく配属された職員は、職場の文化や上司・同僚の目を気にして、休暇を取りにくい状況にある。
  • 公務員の休暇制度
    • 公務員には年次休暇(有給休暇)をはじめ、結婚や忌引きなどの特別休暇、病気や介護のための療養休暇・介護休暇、役員用務などの職務専念義務免除など、多くの休暇制度が整備されている。
    • 制度としては充実しているが、実際にすべての休暇を取得できる職員は限られている。
    • 近年、ワークライフバランスの向上を図るため、休暇制度は少しずつ拡充されているものの、欠員補充がなければ休暇を取得しにくいのが現実である。
  • 公務員の年間休日数
    • 2024年度の公務員の年間休日数は、土日祝日、夏季休暇、年末年始、有給休暇を含めて約129日となっており、一見すると多く感じるが、これはすべての休暇をフルに取得した場合の数値。
    • 実際には、公務員の休暇取得率は低く、総務省の調査によれば、地方公務員の年次休暇取得日数は12.6日、国家公務員は15.5日であり、全休暇を取得する職員は少ない。
  • 民間企業との比較
    • 民間企業の年間休日数は企業の規模によって異なるが、平均的には公務員と大差ない場合もある。
    • 一部の企業では、公務員以上にライフワークバランスを重視しており、まとめて休暇を取得しやすい環境が整っているところもある。
    • したがって、公務員が「休みすぎ」と断言することは難しい。
  • 公務員の休暇に対する誤解
    • 公務員の休暇に対する誤解の一因は、外部からは「担当者が休暇で不在」と見えることが多い点にある。
    • 実際には、休暇中でも他の役務をこなしている場合があり、単に「休んでいる」わけではない時もある。
    • 職種や立場、部署によって休暇の取りやすさに大きな差があり、特に多忙な職員や中堅職員は、休暇を取りにくい状況にある。

このように、公務員の休暇制度は充実しているものの、実際に休暇を取得できるかどうかは職場環境や職種によって大きく異なるため、公務員が「休みすぎている」とは一概に言えない現実があります。

財源を確保して、優秀な人材を集められるよう待遇改善を図ってもらえれば、人気も出て欠員問題も解決する気がします。

その他、公務員の気になる実情を別記事で紹介してるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

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この記事を書いた人
はたらく(元)公務員
はたらく(元)公務員
地方公務員として20年間勤続。若手の頃からプロジェクトのリーダー等を務めていく中で、人事評価で「S」を取得し続ける。同期の中で最速で昇進を果たすも、働き方に疑問を感じ退職。 現在は新たな生き方を模索しつつ、公務員時代のノウハウをブログにしています。 なお、公務員に特化した資産形成に関する無料メール講座を配信しています。 https://form.os7.biz/f/f88504d4/
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