公務員は55歳で昇給停止?国家・地方の違いと廃止・基準日を解説
「公務員は55歳になると、本当に昇給が止まるの?」
「昇給停止は廃止されたという話もあるけど、どちらが正しい?」
「基準日はいつ?早生まれだと扱いが変わる?」
こんな疑問を感じていませんか?
結論から言うと、一般職の国家・地方公務員は、現在も55歳を超えると標準的な勤務成績では定期昇給しない仕組みです。
ただし、55歳の誕生日に給与が下がるわけではありません。
勤務成績が特に良好な場合の昇給や、俸給表そのものの改定による給与の引上げまでなくなるわけでもありません。
また、地方公務員の扱いは自治体の給与条例・規則によって異なります。
国家公務員とまったく同じとは限らない点に注意が必要です。

「55歳で昇給停止」と「60歳以降の給与7割措置」は別の制度です。ここを分けると理解しやすくなります。
この記事では、2026年9月時点の公的資料をもとに、制度上のルールと実際に確認すべきポイントを分けて解説します。

公務員は55歳で昇給停止する?【結論】

まず、よく検索される疑問への答えを整理します。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 55歳で全員の昇給が止まる? | いいえ。国家公務員は標準的な勤務成績では昇給しませんが、特に良好な場合は昇給余地があります。 |
| 55歳になると給料が下がる? | 原則、55歳到達だけで基本給が一律に下がる制度ではありません。 |
| 地方公務員も同じ? | 自治体ごとに異なります。給与条例・規則の確認が必要です。 |
| 昇給停止は廃止された? | 55歳超の1.5%減額措置は廃止済みですが、国家公務員の昇給抑制とは別制度です。 |
| 60歳以降は6割? | 現在の国家公務員は、原則として60歳前の7割水準です。 |
つまり、「55歳で給与がカットされる」のではなく、「55歳を超えると通常の定期昇給が厳しくなる」と考えるのが正確です。
国家公務員の55歳昇給停止の仕組み
一般職の国家公務員については、一般職の職員の給与に関する法律第8条で、55歳を超える職員の昇給は、勤務成績が「特に良好」である場合に限ると定められています。
一般的な勤務成績に当たる場合は、55歳を超えると昇給号俸数が0になります。
- 標準的な勤務成績:昇給なし
- 特に良好:1号俸の昇給
- 極めて良好:2号俸以上の昇給
- 行政職俸給表(二)・医療職俸給表(一)の一部職員:基準年齢は57歳
この仕組みは、人事院の平成25年度年次報告書でも説明されています。
ただし、昇給と給与改定は別です。
個人の号俸が上がらなくても、人事院勧告などに基づいて俸給表そのものが改定されれば、給与月額が変わることがあります。

なぜ55歳を超えると昇給が抑制されるのか
制度が導入された理由は、単に「年齢が高いから」ではありません。
人事院は、50歳台後半層の国家公務員給与が民間給与を上回る状況を踏まえ、世代間の給与配分を適正化するために昇給制度を見直しました。
2014年1月から、55歳を超える職員は標準の勤務成績では昇給しない仕組みが実施されています。

長く働いたことへのペナルティではなく、官民の給与差や世代間配分を調整する制度として始まったものです。
基準日はいつ?早生まれはどうなる?
国家公務員の定期昇給日は、人事院規則9-8で原則毎年1月1日とされています。
その昇給日に「55歳を超える職員」に該当するかによって、昇給の扱いが変わります。
一方、地方公務員では「55歳に達した日後の最初の4月1日」など、自治体の規則で基準日を定めている例があります。
そのため、早生まれかどうかだけで全国共通の結論を出すことはできません。自分の勤務先の昇給日と年齢判定の規定を確認してください。
地方公務員の55歳昇給停止は自治体で異なる

地方公務員の給与は、各自治体の給与条例・規則で決まります。
国と同じように、55歳を超えると標準的な勤務成績では昇給しない自治体もありますが、昇給幅だけを小さくする自治体もあります。
このように、同じ地方公務員でも扱いは一律ではありません。
- 職員の給与に関する条例
- 初任給・昇格・昇給等に関する規則
- 人事委員会勧告や給与改定の説明資料
- 所属先から配布される定年引上げの案内
55歳昇給停止は廃止された?
「55歳昇給停止は廃止された」という情報を見かけて、どちらが正しいのか迷った方もいると思います。
結論からいうと、国家公務員の55歳超職員に対する昇給抑制は、現在も給与法に定められています。
廃止された制度
55歳を超える一部の高位号俸職員について、俸給月額を1.5%減額していた措置(2018年3月31日で終了)
現在も残っている制度
55歳を超える国家公務員は、勤務成績が標準なら定期昇給を行わない仕組み
つまり、「給与を1.5%下げる措置の廃止」と「毎年の号俸が上がりにくくなる昇給抑制」が混同されやすいのです。
この経緯は、人事院の平成29年度年次報告書でも確認できます。

「廃止されたから、55歳を過ぎても今までどおり昇給する」とは限りません
55歳以降の給与・ボーナスはどう変わる?

55歳になった誕生日から、給料が自動的に下がるわけではありません。
国家公務員の場合、勤務成績が標準なら定期昇給による号俸アップが止まります。
一方で、俸給表そのものが改定された場合は、同じ号俸でも月額が変わることがあります。
また、期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)や扶養手当、住居手当などは、それぞれ別のルールで決まります。「昇給停止=手取りがずっと同額」とも言い切れません。

個人の号俸が上がる「昇給」と、俸給表全体を見直す「給与改定」は別のものです
60歳以降は原則7割水準
55歳の昇給抑制とは別に、定年引上げに伴う60歳以降の給与制度があります。
国家公務員は、原則として60歳に達した日後の最初の4月1日以降、俸給月額が60歳前の7割水準になります。現在の基本は7割です。
詳しくは、人事院の定年の段階的引上げに関するページと給与制度の資料(PDF)で確認できます。
地方公務員も国の制度を踏まえた条例改正が進んでいますが、適用日や例外は勤務先の条例・規則で確認しましょう。
役職定年は原則60歳
役職定年も、55歳の昇給停止とは別の制度です。
国家公務員の管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)は、原則60歳が基準です。
60歳に達した日後の最初の4月1日までに、非管理監督職へ異動する仕組みで、職務の特殊性などによる例外もあります。
「55~57歳で一律に役職定年になる」という制度ではありません。
ただし、地方自治体独自の職制や人事運用があるため、勤務先の資料は別途確認が必要です。
退職手当は「ピーク時特例」を確認
60歳以降に給与が7割水準となると、「退職手当まで3割減ってしまうのでは」と心配になりますよね。
国家公務員の退職手当には、60歳以降の給与減額や役職定年による俸給月額の低下に対応するため、減額前の俸給月額も用いて計算する特例があります。
(ただし、個々の勤続年数や退職理由などで計算は変わります。)
「まったく影響しない」と決めつけず、人事院の退職手当制度の資料(PDF)や勤務先の試算で確認するのが安心です。

55歳以降の収入変化に備える3つの確認

ここまで制度を説明してきましたが、最終的に知りたいのは「自分の場合、いつから・いくら変わるのか」ですよね。
僕自身、20年以上地方公務員として働くなかで感じるのは、同じ「公務員」でも自治体や職種、級・号給によって条件がかなり違うということです。
まずは、次の3点から確認してみてください。
1.自分の級・号給と次の昇給日を確認する
給与明細や辞令で、現在の級・号給を確認します。そのうえで、勤務先の給与条例、初任給・昇格・昇給に関する規則を見てみましょう。
確認したいキーワード
- 55歳を超える職員の昇給
- 昇給日・基準日
- 勤務成績が標準の場合の昇給号給数
- 特に良好・極めて良好の場合の取扱い
- 適用除外となる職種・級
規則だけでは自分のケースが判断できないときは、人事・給与担当に「次回の定期昇給で何号給上がる見込みか」を確認するのが確実です。
2.55歳以降と60歳以降を分けて家計を試算する
家計の見通しは、次の3段階に分けると整理しやすくなります。
- 現在:毎月の手取りと固定費
- 55歳以降:定期昇給が抑えられた場合
- 60歳以降:給与が原則7割水準となった場合
住宅ローン、教育費、保険料などの固定費を並べると、どの時期に家計が厳しくなりそうかが見えてきます。
ここで大切なのは、根拠のないモデル年収をそのまま自分に当てはめないこと。給与表、現在の級・号給、手当を使って試算してください。
毎月の手取りを少し増やしたい方は、公務員でも無理なくできる収入の見直し方も参考にしてください。
3.退職手当と年金は公式の見込額で確認する
退職手当や年金は、勤続年数、退職時期、加入履歴などで大きく変わります。
勤務先が発行する退職手当の試算や、ねんきん定期便・ねんきんネットの見込額を使いましょう。数字がそろうと、毎月いくら積み立てればよいかも現実的に考えられます。

まずは「制度を知る→自分の数字を確認する→不足分だけ対策する」の順で大丈夫です
家計全体を一人で整理しにくいときは専門家相談も選択肢

制度を調べても、「住宅ローンや教育費も含めると、結局いくら備えればいいのかわからない」ということもあります。
そんなときは、家計や資産形成について専門家に相談し、自分では見落としていた支出や準備方法を整理するのも一つの方法です。
オンラインで相談できるサービスなら、仕事を続けながらでも利用しやすいでしょう。相談内容や取扱商品が自分に合うかは、申込み前に最新の条件を確認してください。
※給与制度や昇給日の正式な確認先は、勤務先の人事・給与担当です。上記は家計・資産形成に関する相談サービスであり、制度上の判断を行うものではありません。
55歳昇給停止のよくある質問
55歳になった日から給料が下がりますか?
いいえ。国家公務員の場合、55歳以降は勤務成績が標準なら定期昇給を行わない仕組みですが、誕生日に俸給月額を一律に減額する制度ではありません。
55歳昇給停止は廃止されたのですか?
国家公務員の昇給抑制は現在も残っています。2018年に廃止されたのは、55歳超の一部職員を対象とした別の1.5%給与減額措置です。
地方公務員も一律で昇給しませんか?
一律ではありません。国と同様に標準成績では昇給しない自治体がある一方、昇給幅を小さくする自治体もあります。勤務先の条例・規則を確認してください。
早生まれだと昇給停止の時期は変わりますか?
誕生日そのものではなく、勤務先が定める昇給日と年齢判定のルールで決まります。国家公務員の定期昇給日は1月1日ですが、地方自治体は異なることがあるため、規則または人事担当に確認しましょう。
公務員の55歳昇給停止は国家・地方で違う【まとめ】

55歳以降の昇給停止について解説してきました。まとめると以下の通りです。
- 国家公務員は55歳を超えると、勤務成績が標準の場合は定期昇給しない
- 勤務成績が特に良好なら昇給する場合がある
- 地方公務員のルールは自治体の条例・規則によって異なる
- 2018年に廃止された1.5%減額措置と、55歳超の昇給抑制は別制度
- 役職定年と給与7割措置は原則60歳以降の制度
- 基準日・早生まれの扱いは勤務先の昇給日と規則で確認する
55歳は、給与が急に下がる年齢というより、今後の昇給と60歳以降の働き方を確認するタイミングです。
まずは自分の級・号給、次の昇給日、勤務先の規則を確認しましょう。
数字がわかれば、必要以上に不安になることなく、現実的な準備を始められます。
【追伸】人事評価は55歳までに上げておくほどいい

結論、人事評価は高い方が給料のベースもあがるため、55歳までに上げるだけ上げといた方がいいです。
55歳から頑張っても以降の昇給は停止してしまい、高評価がベースに反映されないという仕組みになっているからです。
そこで、なるべく到達前に頑張って「S」「A」をとることが大事。
コツは人事評価という制度にしっかり向き合い、”多くの人が意識していなかったこと”をやっていただけ。
実際私は頑張りすぎによって職場に不満を抱えることもなく、着々と評価を積み上げ・・最速昇進も果たしています。

自分の能力は決して高くはなく、特別なこともやっていません。
ただ、戦略的に評価制度と向き合っていただけです。
右も左も分からなかったポンコツがどのようにしてS評価を勝ち取っていったのか?
この体験に基づいた内容をnoteで公開しています。
・QOL(生活の質)を向上させたい
・生涯年収を増やしたい
・周囲から信頼される存在になりたい
そんな思いを少しでも持っている公務員は、一見の価値があります。
なお、段階的に値上げされていきますので、興味があれば最安の今の内にお手に取ってみてください。
同僚をごぼう抜きして、周囲から信頼される人材になる要素をこれでもかというほど詰め込んでありますので、興味がある方はチェックしてみてください。
