地方公務員の福利厚生を元公務員が丁寧に解説
「福利厚生」とは、基本となる給与やボーナス以外で、職員自身や家族に提供するサービスです。
主に職員の健康や生活などを向上させるために存在しており、団体専用に優遇された制度と言えるでしょう。
公務員はその中でも福利厚生が充実していると言われています。
しかし
「公務員の福利厚生はどの辺が充実しているの?」
「福利厚生が充実しているから志望先として本当に大丈夫?」
など、、分かりにくく理解しにくい部分が多いのも確かです。
私も当初、給料以外に恵まれている部分が思いつきませんでした。
まず、結論としてお伝えしますと、公務員の福利厚生は「中小零細企業<公務員<大企業」といったところです。
ただ、それでも世間的に見ると充実していると言えるでしょう。
特に、病気や育児による休業中の体制や、保障などはしっかりしています。
具体的に解説していきます。
私は地方公務員として20年間勤務し、長らく勤めてきました。
その間人事評価でたびたび「S」をもらい、同僚の中で最速で昇進をしています。
そんな私だからこそ話せる詳しい内容を、あなたにお届けしますので、これを読み、正しい職業選択につなげてください。
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地方公務員の福利厚生①【給与と手当】
公務員を志望する方々にとって、経済的安定性は大きな魅力の一つです。
しかし、具体的にどのような手当が給料の中に含まれて支給されているのか、を知る人は少ないのではないでしょうか。
給料が少しずつ上がっていって安定するのはわかるけど・・っていうのが多くの人の感想じゃないかと思います
そこで毎月の給与の中にどのような手当が含まれているのか、公務員の給与と手当制度について以下にまとめます。
※自治体によって手当名や支給率は変動します
この図を見ていただければ分かるように、勤務の環境や困難性に応じて様々な手当付くようになっています。
公務員はこれらが給与としてまとまり、毎月所定の支給日に支給されています。
地方公務員の福利厚生②【休暇・休職制度】
地方公務員の福利厚生は給与だけではなく、休暇や休職面においても充実しています。
勤務を続けていく上で、長期的に休まざるを得ない状況が発生しても、公務員であれば復帰しやすい体制が整っています。
取得できる主な休暇・休職制度を以下にまとめます。
※自治体によって休暇・休職名や日数は変動します
このように有給休暇以外にも様々な休暇や休業制度があり、職員の生活をサポートしてくれます。
別記事では、公務員の有給休暇事情について解説しています。
ただし、実際にはこの制度の全てを活用することは困難であり、部署によっては年次休暇20日間も取得しきれない場合があります
地方公務員の福利厚生③【医療・年金制度】
さらに地方公務員の福利厚生としては、医療保険と年金においても見逃せません。
公務員の医療や年金関係は主に共済組合という組織が管轄しており
短期給付事業・・医療や災害の給付
長期給付事業・・年金
主にこの2つがあります。
万が一の保障や、将来的な安心感も民間企業と比較すると、充実している傾向にあります。
取得できる主な休暇・休職制度を以下にまとめます。
【短期給付事業】
短期給付事業は、公務員が医療機関にかかるのに欠かせない保険証の発行なども対象です。
こちらの記事では公務員の保険証について詳しく解説しています。
【長期給付事業】
長期給付事業では主に年金を管轄しています。公務員の方々の将来に向けて、厚生年金と、独自の給付事業を行っています。
こう見ると有事の際もひと通り対応してくれそうな安心感がありますね
公務員の年金については、別記事に解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
地方公務員の福利厚生④【各種補助事業】
実はあまり注目されていない福利厚生として、補助事業があります。
補助事業を管轄しているのは主に互助会という組織になりますが、公務員としてプライベートな部分や、余暇を過ごす際に活用することが多いです。
主な補助事業を以下にまとめます。
祝金や宿泊補助に加え、万が一の時に備えた貸付にも対応しています
利率も金融機関のフリーローンと比較しても低めに設定されていますよ
民間企業と比較して公務員は恵まれている?
公務員の福利厚生がいくら恵まれているといえ、民間企業と比較してどの程度の位置なのか気になりますよね。
結論としては、中小企業よりは充実しているが、大手企業には及ばないといった感じです。
というのも、公務員といっても様々な任用種別があり、民間企業からの中途採用者もぼちぼちいたので、それぞれを比較できる人達も多いです。
私は以前勤めていた企業と公務員、それぞれの良い部分・悪い部分を聞いていました。
そして、以下は私の独自リサーチに基づき、比較表にしてみたものです。
公務員 | 元A社(大手企業) | 元B社(中規模企業) | 元C社(小規模企業) | |
給料面 | ||||
休暇面 | ||||
保険・年金面 | ||||
補助面 |
また、民間企業に勤務していた頃の福利厚生については、以下のように話も聞いています。
【A社経験者の話】
・給料は申し分ないし、昇給幅も大きい。
・社員食堂もあり、補助や割引も豊富。
・休暇は取りにくい時もあり、多忙を極める部門もあった。(実際体調崩した)
・年金制度に代わるもので自社株買いがあった。業績によって価値が上がる。
【B社経験者の話】
・給料のベースはそう悪くない。
・休暇は人が不足しており、公務員と比べると取りにくい。
・社員割みたいなものがあり、場合によっては活用できた。
・老後については自分でideco等で積み立てる。
【C社経験者の話】
・ベースも低く、手当の種類も公務員とは比較できないほどに少ない
・公務員の特別休暇にあたる日数が少ないし、休みにくい
・年金や老後の蓄えについては当時考えていなかった
・補助制度がそもそもあったのか疑問(周知されていない)
それぞれ働いていた企業規模も違うので、感じ方もそれぞれですが、とびぬけて公務員の福利厚生が良いというわけでも無い。
ということが分かるかと思います。
【まとめ】地方公務員は福利厚生の充実した魅力的な職業
地方公務員を志望する方々にとって、福利厚生を知っておくことは、非常に重要なことです。
なぜなら、公務員の世界で長く働いていく中で、
・怪我や病気
・結婚や出産
・退職後
など、必ず活用する場面が出てくるからです。
公務員としては経済的な安定性がもちろんありますが、その安定性と共に福利厚生も、魅力の一つであることがお分かりいただけたでしょうか。
地方公務員の福利厚生には、給与や手当だけでなく、休暇等についても覚えきれないほどの色々な制度があります。
給与・手当
地方公務員の給与は、一般的には国家公務員の給与水準に基づいて支給される。
さらに、毎月の給与の中に勤務環境に応じた手当がしっかりと付いており、一般的には民間企業と比べても業績に左右されず、安定している。
休暇・休職
地方公務員には、基本となる年次有給休暇20日間に加えて特別休暇があるが、状況に応じた細かい休暇が存在しており、実質20日以上の休暇取得も可能となっている。
休暇制度の活用により、仕事とプライベートのバランスを取りながら、充実した生活を送れる体制が整備されている。。
医療と年金
地方公務員は、共済組合という団体のもとで短期給付である各種保険制度と、長期給付にあたる年金制度に加入することができる。
この2つの給付制度により、公務員は安心して働き続けることができ、3階建て相当の年金制度によって公務員は将来においても安定した生活を送ることができる。
補助事業
地方公務員には、互助会という組織に加入することで、宿泊施設補助や教育支援補助などのメリットを受けることができる。
互助会による福利厚生事業によって、公務員はプライベートにおいても様々な恩恵を得られる。
以上のように、地方公務員の福利厚生は非常に充実しており、安定した生活を送るための大きな魅力の一つです。
これから公務員を目指す方々にとって、地方公務員は試験を突破することで相応のメリットがある魅力的な職業です。
別の記事では公務員試験を合格するためのオススメ講座について解説しています。
最短経路で合格を目指したい方は必見です。
志望先の候補に公務員がある方は、適切な学習方法で迷いなく試験合格に向けて突っ走ってください。良い公務員LIFEを送れることを期待しています。