公務員に簿記は意味ない?【元公務員の経験から解説します】
「公務員に簿記は意味ないってホント?」
「公務員の簿記は、どの場面で活きるの?」
「簿記は何級まで必要?」
などの噂を聞いたり、疑問に思ったりする事はありませんか?
正直、私自身も公務員として勤める前は、公務員の仕事と簿記がイマイチつながらないような気がするけど、どうなんだろう?と感じていました。
ですが、その答えは公務員として経験がある今は簡単にお答えできます。
公務員という職業そのものに、簿記の資格を取ったからとはいえ、優位になるものは、ほとんどありません。
しかし、「資格という結果以上に、簿記を学ぶ過程に大きな意味がある」ということです。
私は公務員として20年間勤務し、公務員業界にどっぷり浸かってきました。
その間、人事評価でたびたび「S」をもらい、同僚の中で最速で昇進を果たすことができました。
そんな私だからこそ、話せるリアルな内容をお届けしますので、ぜひご覧ください。
簿記の取得が公務員としてどのような影響をもたらすのか、ぜひご一読ください。
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仕事をしながらの資格勉強は大変です、手間なく最大効率で学びを深めて合格を目指すなら、通信講座を選びましょう。
以下の記事で、オススメの講座を紹介しています。
公務員の簿記資格取得は意味がないわけではない
結論として公務員の簿記資格取得は、決して無意味ではありません。
むしろ、公務員としての業務遂行やキャリア形成において有益であり、自己成長や将来のキャリアにつながる可能性を秘めています。
以下に詳しく解説していきます。
簿記資格の重要性と公務員との関連性
簿記資格は、公務員にとって重要なスキルの一つです。
コスト感覚の養成や会計専門用語の理解など、公務員としての業務遂行に役立つ知識やスキルを身につけることができます。
具体的に公務員にとって簿記資格はどのような意味を持つのか、関連性について解説します。
コスト感覚の養成
簿記は、財務管理や会計処理に関する基本的な知識を学ぶことができる資格です。
公務員として活動する上で、予算の立案や資金の管理といった業務に携わることが結構あります。
このような業務を遂行する為にも、日頃からコスト感覚を養うことが重要です。
簿記の勉強を通じて、収支のバランスや資金の使い方についての理解が深まり、公共の資金を効率的に運用する能力を身につけることができます。
会計専門用語の理解
公務員が業務を遂行する際に、むずかしい会計専門用語が登場します。
たとえば
・租税公課
・旅費
・収支内訳
・決算
etc…
これらをゼロから理解するよりも、簿記の概念があると言葉は違っていても理解しやすくなります。
また、決算報告書の作成など、会計の基本的な知識が求められる場面もあります。
簿記資格を取得することで、初めての業務においても、処理がスムーズに行えるようになります。
学びそのものに意義がある
簿記資格を取得することの意義は、資格そのものよりも学ぶことにあります。
簿記の勉強を通じて、経済活動や財務管理の基本的な原則を学ぶことができますが、これは公務員として活動する上で非常に有用なスキルであり、日常業務に活かすことができます。
簿記の知識そのものを丸々公務員として活かせるというよりも、簿記のエッセンスがキャリアを築く上で活きてくるというイメージに近いです。
公務員としての簿記の役割と活用方法
簿記は、公務員としてのキャリア形成において非常に重要な役割を果たします。
会計業務の基礎知識として簿記を学び、適性な判断を下せる能力を獲得することで、公務員としての業務遂行に大きく貢献することができます。
会計業務の基礎知識として活かせる
日本の会計業務のベースには、簿記があります。
公務員が携わる業務の中には、予算の立案や資金の管理、会計報告書の作成などが含まれていますが、これらの業務を遂行する上で、会計の基本的な原則や手法を理解することは不可欠です。簿記の学習を通じて、会計そのもの基礎知識を深めることができます。
適正な執行判断を下せる
簿記の学習を通じて身につけた知識は、公務員としてのキャリアにおいて重要な役割を果たします。
特に管理職や会計部署に配属された際には、予算執行に関して適切な判断を下す能力が求められます。
簿記の知識を活用することで、資金の使い道や経費の配分などについて正しい判断を下すことができます。
これは公共の財政を管理する上で非常に重要なスキルであり、公務員としての業務遂行に大きく寄与します。
公会計の不適切な支出はいつの時代も無くならず、市民の目も厳しくなってきています・・どんぶり勘定ではいけないことを肝に銘じておきたいところです
配当予算の効率的な執行管理ができる
公務員が携わる業務の中には、予算の立案や執行、管理が含まれています。
簿記の知識を活用することで、配当された予算の効率的な管理が可能となります。
行政の予算は基本的に単年度ごとの執行です。
予算が残っていれば年度末に吸い上げるわけですが、残っていればいいというものではありません。効果的に使えず執行残があってもダメですし、無駄に使いすぎてもダメです。
事業に対して過不足なく効果的に執行されていることが大事です。
収支のバランスや資金の使い道を見極め、公共の財政を健全に維持するための手段として、簿記は重要な役割を果たします。
簿記が公務員に意味がないと思われてしまうワケ
簿記って公務員に意味がないよね・・・
一部ではこのような意見も存在します。
なぜ公務員として簿記に意味がないと考えるのでしょうか。
その理由にはいくつかの要因が考えられるので、以下で解説します。
採用試験や経歴で必須ではない
まず、公務員の採用試験やキャリアアップにおいて、簿記の知識や資格が必須とされないことが挙げられます。
公務員の採用試験は一般的に、国家資格や特定の資格よりも実際の試験での一般教養や専門知識を重視する傾向にあります。
そのため、簿記の資格を持っていても、採用試験での有利だとは言い難いです。
採用試験で主に重視されるのは
・試験の点数
・論文(作文)
・面接
この3点です。
簿記の資格がこの3点を上回る影響があるのは稀であると言えるでしょう。
給与や昇進に直接結びつかない
公務員としての昇給やキャリアアップにおいても、簿記の資格が直接的なメリットをもたらすとは限りません。
簿記の資格があるから、同僚よりも早く昇進させます!というようなことは無いということですね・・
公務員採用後の昇給や昇進には主に「人事評価」が影響してきます。
別の記事では人事評価について解説していますのでご覧ください。
これに加えて勤務年数に基づいて決定されるため、簿記の資格を取得しても給与アップに直結しにくいという実態があります。
簿記の恩恵を得られるのは主に採用後
「試験に関係ない」
「給与が上がるわけじゃない」
などの理由だけで簿記が公務員にとって無意味だとするのは早計です。
なぜなら、公務員として採用された後に、簿記の知識や資格を活かす機会が多く存在するからです。
そして、給料も将来的にはアップする可能性もあります。
例えば、採用後の経歴に簿記があるとして、人事課の判断により会計部署に配属されるとします。
公務員にとって予算や会計を担う財政課はエリート部署です。
配属されれば評価が高まり、経歴として昇給や昇進に反映されます。
部署としてはハードですが・・
結果的には給料がアップする流れが生まれているというワケです
このように公務員として活躍する上で簿記の知識や資格は決して無駄にはならないということです。
公務員として簿記が無用とされる理由はある程度理解できますが、簿記の知識や資格を持つことで、業務遂行の効率化やキャリアの発展に貢献することができます。
簿記の取得について少しでも悩んでいる方は、簿記の資格取得を通じて自身のキャリア形成に役立てることを検討してみてはいかがでしょうか。
公務員は簿記資格を何級まで取得すると良い?
公務員を目指す方や若手公務員の皆さんにとって、簿記資格はキャリア形成において重要な要素の一つです。
では、公務員として活躍するために、簿記資格を何級まで取得すべきなのでしょうか。私の経験んを踏まえて解説します。
簿記3級の取得で基礎をほぼ固められる
簿記の資格は1~3級までありますが、公務員として現場で活躍するためには、まず簿記3級の取得から始めるのが基本です。
簿記 | 勉強時間 | 合格率(過去平均) |
1級 | 50~100時間 | 約50% |
2級 | 100~200時間 | 約20% |
3級 | 400~600時間 | 約10% |
級が上がるほど勉強時間が増え、合格率が低くなることがわかりますね・・・
簿記3級は、会計の基本的な知識や原則を学ぶのに最適なレベルの資格です。
学習時間も50~100時間と言われ、仕事を続けながらでも十分狙える資格です。
まずは、3級合格目指して少しずつ学習を始めていきましょう。
さらなる知識の習得を目指したい方は簿記2級を
簿記3級を取得した後は、簿記2級の取得を目指すことを検討してみましょう。
簿記2級は、3級よりも深い知識や技術が求められる中級レベルの資格です。
2級を取得することで、より高度な会計処理や分析が可能となります・・が、ここからは3級を通して簿記の世界に興味が湧いた人にオススメです。
というのも、簿記2級に相当するほどの業務はなかなか公務員としては扱いません。
学習時間も100~200時間程度と言われており、日頃の業務にプラスで勉強時間を捻出するのも簡単なことではありません。
正直、3級で現場で十分活躍できる知識が身に付きますし、2級以降は興味があれば・・という領域です。
ひとまず3級は目指してもらいたいですが、2級は自身の状況や立場を考慮して臨むと良いでしょう。
効率的に学ぶなら通信講座を一択
簿記の学習時間にバラつきがあるのは、学習の効率が人それぞれ違うからです。
特に独学だと学習時間が長くなる傾向にあります。
あまり長い時間学ぶのはモチベーションも維持できないし、忙しいとなかなか続けられないけど・・
そこでオススメしたいのは通信講座です。
むしろ効率的な習得を望むのであれば通信講座一択で、回り道することなく最短で学び続ける事ができます。
効率的な資格取得については別の記事で解説していますので、ぜひお読みください。
知識だけでは×!経験とのバランスを
公務員としての業務遂行においては、簿記の資格取得だけでなく実務経験も重要です。
簿記の知識を学びつつ、実務経験を積むことで、より公務員として実践的なスキルを身につけることができます。
要するに知識ばかりの「頭でっかち」になってはいけないという事ですね・・仕事がかえってやりにくくなる可能性がありますので・・
簿記資格の取得と実務経験をバランスよく積み重ねることが、公務員としてのキャリア形成において重要です。
公務員に必要な能力については別記事で具体的に解説しています。
・公務員として活躍するためには、簿記の資格取得が有効な手段の1つ。
・簿記3級の取得で基礎を固め、その後は業務を通じて経験値を高めつつ、知識を落とし込めると望ましい。
・資格取得だけでなく実務経験も重要な要素であることを忘れず、バランスよくキャリアを築いていくことがポイント
簿記の知識は公務員にも意味があり無駄ではない【まとめ】
公務員にとって簿記資格取得は意味がないということはなく、むしろ意味はあります。
その位簿記資格は、日本の会計業務にとって重要なスキルの一つであり、コスト感覚の養成や会計専門用語の理解など、公務員としての業務遂行に役立つ知識やスキルを身につけることができます。
簿記の資格を取得したところで、何も有利に働かないと考えられがちですが、主に採用後に感じられる部分であり、力を発揮できる部署で経歴として残すことができれば自然とそれに沿った待遇になります。
また、簿記の知識は公務員としてのキャリア形成において非常に重要な役割を果たします。
会計業務の基礎知識として活用され、適性な執行判断を下す能力を獲得することができます。さらに、配当予算の効率的な執行管理にも活用されます。
これは定年まで勤めていく上で共通のスキルです。
実際に1級から3級まである簿記の資格の中で、目指すにあたっては簿記3級の取得がオススメです。
3級で基礎を固め、その後は簿記2級を目指してさらに知識を深めていくのも良いでしょう。
ただし、簿記2級の取得には100時間以上の学習時間が必要とされている為、自分自身の生活環境をと考慮して、望むと良いでしょう。
簿記3級で十分現場で活躍できますが、学習には通信講座を活用して効率的に学びを進めていきましょう
さらに資格取得だけでなく実務経験も重要な要素であることを忘れず、バランスよくキャリアを築いていくことが重要です。
繰り返しになりますが、簿記は公務員にとって価値はありますので、誤解や偏見を持たずにぜひとも学んでみて、明日以降の公務員LIFEに活かしてください。