【公務員の労働組合を抜けたい!】方法やメリット・デメリットを元公務員が詳しく解説
「公務員の労働組合を抜けたい・・」
「労働組合って何の意味があるの?」
「抜けた後のデメリットはある?」
など、お悩みではありませんか?
実際に私も組合に加入していた際に、一体どこで恩恵を受けているのか不明だった時期があります。
しかし、その悩みは公務員における労働組合の在り方を知ることで、簡単に解消されます。
結論言うと、公務員の労働組合を脱退しても問題ありませんし、デメリットもそこまで無いと言っている人が多数です
具体的な公務員における労働組合の組織形態と脱退について解説していきます。
私は、公務員歴20年の中堅職でしたが、最終的には組合から脱退しても人事評価に影響は無く、度々「S」を取得することが出来ました。そんな私の実体験も交えた情報をお届けします。
労働組合を抜けても分け隔てなく良好な人間関係を築くヒントをこの記事から掴んでください。
★すべてはコミュニケーション次第
自分の意思を不快にさせず伝えることで、円滑に話を運ぶことができます。
全てに通ずる万能スキル「コミュニケーション力」の大切さをロジカルに学んでみてください。
公務員としての立場から見た労働組合の役割とは?
労働組合は労働者の権利を守り、労働条件の改善を目指す組織です。
そのため、労働者が共通の利益を守るために加入し、組合員同士が連帯して活動しています。
公務員も例外ではなく、労働組合は公務員の労働条件の向上や権利の確保を目指して、日々活動を行っています。
公務員の場合は職員組合と呼ばれたりしていますね
具体的に以下に解説していきます。
公務員における労働組合の役割
労働組合は1年の中で公務員の給与や勤務条件の改善を求めるために、提言や協議を行います。
これによって、公務員の待遇向上が図られることを目的としています。
また、労働組合は職場での労働環境の改善や労働者の権利の擁護にも取り組みます。
以下の図を見ると、実際に年間通して様々な活動をしているのが分かります。
【公務員職員組合の主な活動内容】
活動内容 | 内容 |
メーデー | 地位向上に向けた主張活動 |
定期大会 | 行動方針や活動内容の報告、収支報告、役員交代等の集会 |
学習会 | 情報交換、研修会 |
待遇に係る各種交渉 | 総務・人事部門・管理職との交渉 |
これ以外にも不当な人事と感じられるものに対して、執行役員が人事部に経緯を確認するなんということもありました。
ただし、一組合員からしてみると、分かりやすい改善結果として見えにくいのが実情です。
公務員の労働組合には一部制限がある
労働組合としての成果が見えにくい背景として、公務員の活動制限があります。
というのも公務員は、ストライキ等の団体行動権や交渉権が制限されています。
なぜなら、公務員の職務が公共の福祉に密接に関わるため、社会的責任を担う立場にあるためです。
また、代替措置として人事院勧告によって都度改定されているため、組合が自由に締結できる権利を持ちません。
公務員の給与が上がる仕組みについては別の記事で解説していますので、ご覧ください。
このような制約により公務員の労働組合の活動内容は限定的で、民間企業ほどの大規模な動きは見られません。
時折、民間企業のストライキで休業になっているニュースが流れますよね、あのようなことは公務員では起こりません
結局、組織としてあまり機能していないように見えてしまうかもしれません。
しかし、上層部に現場の声を伝えたり、管理部に要望することはできるので、ルールの共通確認などをして既にある権利を使いやすくしています。
地域によって団体としての積極性が異なる
職員組合も各市町村や自治体によって活動内容や積極性が若干異なり、ある所では組合としての形をなしていないという声も聞かれます。
これにはいくつか要因があります。
・制限された組合活動に意義がないと感じている
・近年は働き方改革で交渉せずとも待遇が見直されている
・通常業務と掛け持ちで役員の負担が大きい
・交渉相手(人事部・総務部等)と仲良くなっている
背景はわかりますが、こうなってしまうと代表者以外の組合員は何のために加入しているか分かりませんよね・・
一方、組合活動が強いところでは、時間外勤務についてシビアに追求したり、管理職にも自分の権利を強く主張したりと活発な様子が伺えます。
このように労働組合といっても自分の勤務する地域によって積極性が異なるので、この点を考慮し組合の脱退について慎重に検討しましょう。
公務員が労働組合に加入するメリットは?
では、公務員が活動に制限がある労働組合に加入するメリットはどれほどあるのでしょうか、気になりますよね。
積極的に組合活動に参加すればそれなりのメリットも感じられます
公務員が労働組合に加入するメリットを以下に解説していきます。
職場内の人間関係の構築
職場内での人間関係の構築や団体活動への参加を通じて、横のつながりを築くことができます。
特に、普段は関わりのない部署や職種の同僚と、組合を通して交流する機会ができることで、職場全体の連帯感を高める効果が期待されます。
顔を知られているだけでも、だいぶ仕事はやりやすいですよ
組合員同士が相互に支援し合い、問題解決や労働条件の改善に向けて協力することで、良好な雰囲気が作られ、通常業務においても業務上の連携や協力が得やすく働きやすい環境を整えることができます。
役員用務、学習会、研修会等でスキルアップが狙える
公務員の労働組合は団体として様々な活動を展開しています。
組合活動に参加することで、組合員として自己啓発やスキルアップの機会を得ることができます。
例えば
・公務員の権利
・公務員の組織形態
・他市町村の状況
などこれらに関する研修や勉強会、活動などが提供され、普段の業務だけでは得られない知識や体験を得る事ができます。
組合が行う労働条件の交渉や法改正に関する活動に参加することで、自らの権利や福利厚生について深く知ることができます。
公務員労働組合に加入することで、単なる組合員としての地位や権利だけでなく、職場内での人間関係や団体活動への参加を通じて、横のつながりを築くことができます。
組合員同士が連帯し、助け合いながら働くことで、職場の雰囲気や労働条件の改善に貢献することができます。
組合員用の保険や特典がある
職員組合に加入すると団体用のお得な総合共済保険に加入できたり、労働金庫での融資・金利が有利に働いたりするなどの特典があります。
【よくある労働組合員専用の特典】
・医療、火災、自動車保険に割安掛金で契約可
・提携金融機関にて住宅、カーローンでの優遇金利適用
各自治体で上記内容は変わってくるので、加入するだけでなくぜひ内容を確認してみてください。
公務員の労働組合に加入する際の課題
労働組合に加入すると良いことばかりでないのは確かです。
これは、実際に加入している組合員からも聞いている話です。
特に組合に加入している多くの方が考えているポイントは大きく以下の2点です。
組合費が徴収される
公務員労働組合の課題の一つは、組合費が徴収されることです。
本自治体では年齢に応じて徴収額が変わり、毎月3000円~7000円でした
組合費は組合の運営や活動資金として必要ですが、毎月の給与から自動的に引かれるため、組合員にとっては負担となります。
特に、給与から共済組合への掛金や所得税、住民税が控除され圧迫される中、組合費が家計に与える影響は無視できません。
また、組合の活動が自分に直接的な利益をもたらしていないと感じる職員にとっては、不満の原因にもなります。
役員を任されると大変
「職員組合〇〇部の××長をやってほしいんだけど・・」
組合員でいると、こんな話が突然舞い込んでくることがあります。
公務員かつ労働組合で役員を任されることには、多くの責任と負担が伴います。
なぜなら、通常の業務に加えて、組合活動に関する多くの仕事をこなさなければならないためです。
【主な組合活動】
・各会議の準備や進行
・文書作成
・組合員との連絡調整
・団体での交渉や調整作業
etc…
これらの業務は、勤務時間外での労力を必要とし、時には休日での活動が避けられないこともあります。
さらに、役員としての活動はしばしば対外的なストレスを伴います。
皆仕事をしながらなので、依頼していた返事が来ず催促したり、嫌な対応をされたり・・無報酬で誰の為にこなしているのか分からなくなる時があったり・・
組合員の期待に応え、彼らの権利や利益を守るためには、困難な決断や対立を解決する必要があります。
これには、職場内外での調整や交渉が含まれ、時には対立する立場や意見を調整しなければならない場面も多いです。
加えて、役員としての責任感やプレッシャーも大きく、自分の業務との両立が難しくなることもあります。
そのため、役員を務めることは公務員にとって大変な負担となり、精神的な疲労やストレスの原因となることが少なくありません。
公務員労働組合を脱退するデメリットは?
公務員労働組合を脱退する際のデメリットは、実際はそれほど大きく感じられない場合もあります。
しかし、以下のように一定の労力や配慮を要することが挙げられます。
特に辞める時の話の運び方に注意しましょう。
脱退手続きに時間が掛かる
まず、公務員労働組合の規定に基づき、脱退手続きを行う必要があります。
これには、一定の書類や手続きが必要となり、書類を出して完了・・とならないことも多いです。
自治体によっては、労働組合の上層部がきて面談することになったり、脱退理由を聞いたり・・。
あえて脱退を複雑にして少しでも脱退者を減らそうという試みが見られますね・・
労働組合を脱退するまでにはいくつかのハードルがあると考えておくと良いでしょう。
組合関係者との人間関係が悪化する
組合で役職を持つ方も同じ公務員です。
どこかで一緒に仕事をすることもあるかもしれませんが、組合を脱退することでそんな方々との関係性が悪化する可能性があります。
なぜなら、職員組合の中でも、活動に熱心な人が一定数いることもあるからです。
実際に権利改善のために、自分の活動と組合の必要性をものすごい熱意で周囲に語っていた人がいました
組合に情熱を注いできた方に退会する旨を伝えた結果、自分達の活動が理解されなかったと否定的に捉えられることもあるでしょう。
以上のような脱退のデメリットはありますが、直接的に大きいとは言い難い場合もあります。
特に、労働条件や福利厚生に関する法律や規定がある場合、それらの保護は脱退したとしても継続されます。
つまり、組合に加入していなくても、公務員としての権利や福利厚生は法律に基づいて守られます。
したがって、公務員労働組合を脱退する際のデメリットは、実際にはそれほど大きくはありません。ただし、手続きや組織からの離脱に伴う一定の手間や労力は必要です。それでも、自らの意思や状況に応じて、組合員であることの利点やデメリットを考慮し、適切な判断をすることが重要です。
労働組合からの脱退方法と注意点
労働組合からの脱退を考える現役公務員の皆さんにとって、脱退手続きを円滑に行うための方法と注意点をまとめました。
公務員労働組合への加入や脱退は、個々の自由意志に基づくものです。以下のポイントを参考に、適切な判断をしてください。
脱退の方法
脱退の方法自体は以下の通りシンプルですが、機械的に受理されるかどうかが焦点になります。
脱退届の提出
公務員の労働組合から脱退するためには、所属している組合に脱退届を提出する必要があります。
脱退届は組合の規定に従って任意様式を作成するか、指定された様式に記入するなどして、指定された方法で提出します。
提出方法や必要書類については、組合の事務局やホームページなどで確認してください。
特に直接的なやり取りなのか、間接的なやり取りで良いのかを確認したいところですね
【場合によって】事務局との面談
脱退届を提出する際には、事務局との面談が設定されることがあります。
面談では、組合脱退の理由について話すことになるでしょう。
さらに、組合活動の意義や団体としての重要性などを説かれることもあります。
この後の注意点でも説明していますが、組合という組織自体を否定するようなネガティブな要素は避けるようにしましょう。
円満な関係を保つためにも、冷静かつ穏やかな態度で対応することが重要です。
脱退の際の注意点
公務員労働組合の脱退は個々の自由意志に基づくものです。
脱退手続きを行う際には、上記の方法と下記の注意点を参考にして、円滑かつ適切な手続きを行ってください。
組合規定の確認
脱退手続きを行う前に、組合の規定や手続きについてよく理解しましょう。
あらかじめ脱退に関する具体的な規定や流れ、期限、組合費の徴収などについて把握しておくことで、クリアでスムーズな手続きが行えます。
規定は組合員宛てに配布される場合もありますし、データで見れるように格納されていることもあります。
いずれにせよ担当を通して確認することをオススメします。
契約していた労働組合提携サービスへの影響
労働組合からの脱退によって、組合と提携していた特典やサービスの利用が制限される場合があるため、脱退を検討する際にはその影響をあらかじめ調べておきましょう。
本自治体では職員組合加入者は金融機関専用ローンや保険が適用されていましたが、この辺りが脱退後にも継続できるかどうか要確認です。
脱退理由に組合への否定はNG
労働組合に加入していたものの、思ったようなメリットが自分にはなかったため、組合に対してネガティブな印象を抱いてしまうこともあります。
しかし、その不満を組合にぶつけて脱退理由とするのはNGです。
公務員は団体行動権など一部の権利が制限されている中で、組織としてできる範囲で活動している部分もあります。
その行動そのものを否定してしまうと、先々の人間関係もこじれますし、何より組合をスムーズに辞めることが難しくなる可能性もあるので注意しましょう。
とはいえ、他者の意見やプレッシャーに左右されることなく、自らの意志を尊重して適切な判断をしてください。
円満な労働組合脱退に向けコミュニケーションを大切に
公務員労働組合を脱退したいと考えている方にとって、円満に組合を抜けるためには、コミュニケーションが非常に重要です。
同じ職場で働く同僚との関係を悪化させないために、適切なコミュニケーションを取りながら脱退手続きを進める方法をご紹介します。
脱退理由を明確にし一貫させる
まず、労働組合を脱退する意思を示す前に、自分の考えを整理し、脱退理由を明確にしておくことが大切です。
これにより、周囲の職員や事務局に対しても一貫した説明ができ、誤解を防ぐことができます。
なお、この脱退の理由については率直に伝えつつも、批判的な表現を避けます。
労働組合は多くの公務員にとって重要な団体であるため、尊重する姿勢を持つことが求められます。
脱退の理由が合理的で理解されやすいものであれば、他の組合員や関係者との関係も引き続き良好に保つことができるでしょう。
ある程度時間をかけて脱退に向け行動する
急に「明日から組合やめます」とするのは控えましょう。
まずは脱退を決意したら、早めに労働組合の代表者にその旨を伝えましょう。
いつまで組合費を徴収するかなどの都合もありますからね、早めに越したことはないです。
突然の脱退は混乱を招き、あなたの印象を損ねてしまう可能性があります。
事前に申請して徐々に理解をしてもらい、適切なタイミングで手続きを進めることが重要です。
リスペクト&感謝の気持ちで対応
また、脱退手続きを進める際には、丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。
脱退の意思を伝える際には、相手の立場を尊重し、感謝の気持ちを持って対応することが重要です。
そして脱退届の提出や面談の際には、自分の素直な気持ちと相手方の事情を合わせて伝えることが大切です。
これまでの組合活動やサポートに対して感謝を示すことで、組合側も理解を示してくれる可能性が高まります。
また、脱退後も職場内での関係を良好に保つために、同僚として日常的なコミュニケーションを怠らないよう心掛けましょう。
同じ職場で働く仲間として、協力的な姿勢を示し続けることで、職場内の関係を良好に保つことができます。
あらゆる場面で活きるコミュニケーション能力の高め方
しつこく言いますが、公務員労働組合を円満に脱退するためには、コミュニケーション力が不可欠です。とにかく大事なので繰り返します。
しかし、
・自分のコミュニケーションの取り方が合っているのか。
・どのように能力を高めていくのか。
見えにくい部分があります。
そこであらゆる場面で活用できるコミュニケーションスキルはスクールで効率的に正しく学びましょう。
別の記事ではオススメのコミュニケーション講座を紹介しています。気になる方はご覧ください。
日頃使っているコミュニケーションですが、大事なスキルにも関わらず多くの方は自己流。
なぜか、人生が好転する能力をわざわざ学ぼうとはしません。
そこでこのスキルを学び、周囲と圧倒的差を付けて、自分にとってのキャリアを優位にしていきましょう
公務員の労働組合は辞める時は円満に【まとめ】
公務員の労働組合と脱退の方法や注意点について解説しました。
ポイントは以下の通りです。
【労働組合の基本的役割】
・労働組合の基本的な役割は労働条件の改善や労働者の権利擁護を目的とする。
・公務員は職員組合として、公務員の労働条件の向上や権利の確保を目指して活動する
・公務員は社会的責任からストライキなどの団体行動権や交渉権が制限されている。
・給与全般は人事院勧告に基づき改定されるため、組合が自由に交渉できない。
【公務員労働組合のメリット・デメリット】
・公務員労働組合に加入するメリットは職場内の人間関係の構築、部署や職種を超えた同僚との交流機会。
・公務員労働組合を脱退するデメリットは大きくないが手続きの煩雑さ、人間関係の悪化に配慮する
【組合の脱退方法】
脱退届の提出:組合の規定に従って脱退届を提出。
面談の対応:職員組合役員上層部との面談が設定される場合がある。
【組合脱退の注意点】
・組合の活動を否定するような発言は、NG。色々こじれる。
・労働組合提携の特典やサービスの利用が制限される場合がある。
【円滑な脱退のために】
・言葉選びや丁寧なコミュニケーションを大切にする
・自分の考えを整理し、理由を明確にしておき周囲の職員や上司に一貫した説明をする。
・早めに上司や労働組合の代表者に伝える。
・批判的な表現を避け、尊重する姿勢を持つ。
【あらゆる場面で活きるコミュニケーション能力の高める】
・労働組合を円満に脱退するためにはコミュニケーション力が不可欠。
・スキルを向上させるためにコミュニケーションスクールなどで正しく学ぶことが推奨される
公務員は意外に狭い世界で、同僚として一緒に仕事をする機会があるかもしれません。
長い公務員生活、先々を考えた適切な行動をオススメします。
労働組合を辞める以外にも交渉事や意見を伝える際にもコミュニケーションが大切なポイントになります。
コミュニケーションスキルについて気になる方はコチラの記事をご覧ください。
★すべてはコミュニケーション次第
自分の意思を不快にさせず伝えることで、円滑に話を運ぶことができます。
全てに通ずる万能スキル「コミュニケーション力」の大切さをロジカルに学んでみてください。