公務員でも男女OK?ピアス着用の現状と賛否両論の背景に迫る
公務員にふさわしい格好の中で、ピアスの着用はOKかどうかの判断に迷っていませんか?
公務員というだけで見た目にも制限がありそうですよね。
また、
「公務員でもピアスを着用しての業務は問題ないの?」
「公務員のピアスは印象が悪くなる?上司に注意される?」
「公務員向けの着用できるオススメピアスは?」
など、思ったことはありませんか?
正直、私も聞かれたときに「んー・・。」と悩んでしまいます。
着用したいけど、周囲からの印象が心配ですよね。
また、実際働いている方々の現状はどうなんでしょうか?
実は公務員でも男女問わず人それぞれ。自分の判断で勤務しています。
なぜなら一部公安系(警察、自衛隊等)の職種を除いて厳しく制限されていないからです。
私は地方公務員として20年間勤務の中で様々な職員を見てきており、
その中でも上司より高い人事評価と、同期の中で一番早い昇進を果たすことができました。
そんな私だからこその内情をお伝えできます。
この記事では、
について解説します。
この記事を読むことで、公務員のピアス着用の現状を把握することができます。
また、あなた自身が着用するとした時に注意すべき事項を理解することができます。
あなたの明日以降の勤務にお役立てください。
公務員のピアス着用はアリ?ナシ?
公務員のピアス着用について結論としては
「各所属で禁止されていない限りは男女ともに自由」
だけれども・・・
「常に自分以外の立場、状況を意識した思考を持ってください」
です。
さらに
「公務員として高い評価を得て出世していきたいならピアスは着用しない方が無難」
一方で
「それなりに自己表現をしつつ勤めていきたいなら個人の判断で着用すればいい」
と、付け加えます。
モヤっとした結論ですが、公務員業界がこんな感じです。
また、現在は公務員であっても、多様性や個人的な自己表現を尊重する時代になってきており、上司がピアス着用を咎めるというのも難しい時代になってきたとも言えます。
公務員のピアス着用におけるデメリットは?
公務員として勤務する上でピアスを着用すると考えられるデメリットは大きく4点です。
ビジネスシーンでの適切さに欠ける
公務員として働く場合、外見や印象は非常に重要です。
ピアスを着用することで、ビジネスシーンでの真剣さ、適切さに欠けると見なされる可能性があります。
特に、ピアスが大きく目立たせるほど、その影響が大きくなるでしょう。
印象が悪くなり業務に影響が出る
公務員は、一般市民から信頼を得ることが重要です。
ピアスを着用することで、一部の人々からは「公務員なのにチャラついている」という印象を持たれる可能性があります。
また、一部の年配の方々は、ピアスを着用すること自体に対して否定的なイメージを持っている場合があります。
もし、第一印象が悪くなってしまうとどんな正論も話が通らず、結果として業務に支障を及ぼすことも考えられます。
職場内の調和を乱す可能性がある
公務員同士でもピアスの着用については価値観が異なります。
もし否定的な立場の方々が多く所属する部署等でピアスを着用するとなれば、それは職場内の調和を乱すことがあります。
他の同僚との間に摩擦が生じ、職場の雰囲気を悪化させることがあることも考えておきましょう。
生涯年収に影響が出る可能性がある
公務員は部長や課長等の管理職の人事評価によって次年度の昇給が決まり、ボーナスの支給率も変わります。
上長がピアス着用に否定的だった場合、勤務態度の面で人事評価に影響が出る可能性があります。
もし仮に、ピアス着用が評価のマイナス要素であり、次年度の昇給とボーナスに影響が出たとすると、当然生涯年収は下がります。
【独自調査】公務員のピアス着用率を調べてみた
勤務当時の本自治体の複数部署における職員の様子を観察してみた結果、公務員ピアス着用率は全体で約30%程度であり、年齢層や職種によって着用率には差がありました。
年齢層で見ると、若年層にあたる20代から30代の着用率が高い。
性別で見ると、女性公務員の着用率が男性公務員に比べて高い。
職種で見ると、窓口対応業務よりも内勤に当たる職員がやや多い。
傾向にあります。
また、ピアスを着用する職員に理由を聞いてみたところ
「着用し続けてないと、ピアスの穴が塞がり、いざという時着用できない」
「ファッションの1つとして普段から着用している」
この2点が理由として多かったです。
着用しているピアスの形状に関しては、シンプルで小さなものが多く、あまり派手なものは避けるようにしていた様子です。
以上のように、公務員ピアス着用に関する実態調査の結果から、公務員がピアスを着用する理由や形状などについて詳しく解説しました。
実は公務員同士でも賛否両論なピアスの着用
人それぞれ価値観は違うので、当然公務員の中でも考え方は人それぞれです。
ピアスを着用している人とそうでない人、ヒアリングによって得られた賛成派と反対派の代表的な意見をまとめて紹介していきます。
【賛成派の意見】
・勤務のモチベーションを上げるために着用していても良いのでは。
・多様化の時代の流れが進む中、ピアス制限は公務員の閉鎖的業界をイメージさせる。
・同じ制服やスーツでも、アクセサリーの種類や組み合わせによって個性を表現できる。
・他業界でも、若い人達のピアスに対する抵抗はあまり感じない。
【反対派の意見】
・公務員は、住民の代表として公の場で勤務する為、あえてカタさを守る必要がある。
・規律や秩序を重んじる職業において、個性的なファッションは不適切である。
・ピアスを付けることで、公務員が市民に受け入れられるようになるわけではない。
・社会全体のモラルや規範を守るために、公務員は自己のファッションセンスを制限することが必要である。
どちらとも言い分があり、それぞれ自己責任・自己判断で着用するなどして業務に臨んでいるということがわかりますね。
公務員のノンホールピアスの着用はアリかナシか?
ノンホールピアスは、耳たぶに穴を開けなくてもピアスが装着できるアクセサリーのことです。耳の穴が塞がってしまったり、わざわざ穴を開けなくても着用できる気軽さが魅力です。
ノンホールピアスの種類
ノンホールピアスには以下のような種類があります。
イヤーカフ
イヤーカフは、さまざまなデザインや素材で販売されており、金属やプラスチック、石などの素材を使用したものが一般的です。また、単体で使うだけでなく、ピアスと合わせて使用することもできます。
イヤーカフは、普段使いからフォーマルな場面まで幅広く使うことができるアクセサリーです。そのため、カジュアルなファッションからオフィスウェアまで、様々なシーンで使用されています。特に、ピアスを着けることができないオフィスなどのビジネスシーンで、イヤーカフを使用する人も増えています。
イヤーフック
耳たぶに引っかかるように装着するアクセサリーの一種です。
イヤーフックの部分が耳たぶに引っかかり、装着されたアクセサリーが下がるようになっています。
イヤーフックは、一般的に金属製のものが多く、イヤーフック部分にはチェーンやビーズ、ストーンなどの装飾が付いている場合があります。また、素材やデザインによっては、カジュアルなファッションからフォーマルな場面まで幅広く使用することができます。
ピンクリップ
ピンクリップとは、耳たぶなどの身体にピンを刺すことなく、マグネットやクリップで装着するピアスのことを指します。
ピンクリップは、種類やデザインが豊富で、ビジネスシーンやフォーマルな場でも使用されることがあります。
ただし、ピンクリップは通常のピアスに比べて装着感が弱く、外れやすいことがあります。また、装着部分によっては痛みや違和感を感じる場合もあるため、個人差があります。
なお、マグネットタイプを使用する場合は、心臓ペースメーカーや携帯電話などの電子機器に影響を与えることがあるため、注意が必要です。
ノンホールピアスでも公務員として着用は微妙
さて、ノンホールピアスは、耳たぶに穴を開けることなくピアスを楽しめるため、ピアス初心者や穴を開けたくない方に人気があります。
これならアクセサリとして認められやすいんじゃ・・?
しかし、公務員のノンホールピアス着用は結局のところ通常のピアス同様、過度な装飾の1つとして見られてしまうこともあるでしょう。
耳に穴が開いているかいないかが問題ではなく、耳に装飾がされているという事実はあるので、
公務員のピアス着用はふさわしくない。
という指摘に対して
いえ、これは穴を開けていないピアスなんですよ
という弁明で納得させることはできない可能性があることを理解しておくべきです。
このあたりは体感的に男女でも違いがあります。
正直なところ、男性のピアス着用はやはり目立ちます。
実際に同僚の女性がノンホールピアスを着用していたんですが、比較的受け入れられていましたね。ちなみにその女性は「着飾っている人」というイメージが付いていました。
この評価をどう捉えるかは難しいところですが、どういう印象をあたえるか参考例になるのではないでしょうか。
ピアスを着用するマル秘テク!
公務員的にピアスがあまり適切ではないということは分かったけど、どうにかしてピアスを着用していく方法はないの・・?
そんな方に、経験上これらをおさえておくことで、多少なりとも評価に違いが出る可能性があるポイントを紹介します。
※あくまで可能性を上げるだけであって絶対ではないことをご承知ください。
まずは数年間キャリアを積む
ピアスを着用するなら、1年目ではなく、ある程度キャリアを積んでからがオススメです。
なぜなら配属された部署によってピアスに対する受け止め方が違うためです。
その為、初めて勤務する際には、
・職場がどのような服装で勤務しているか
・同僚はどの程度ピアスを着用しているか
を確認することが重要です。
また、新人はどのような仕事ぶりを発揮してくれるのかと最初はあれこれ期待され、何かと注目されがちです。
そういった意味では、いきなりピアスを着用していくことで、第一印象が悪くなる可能性があります。
雰囲気にそぐわない立ち居振る舞いはマイナスです
しかし、まず数年間キャリアを積み成果を示すことで、社内での評価と信頼が定着してきます。
その為、誠実に業務をこなし、評価を上げてからその後ピアスの着用を試みることをおすすめします。
採用1年目の新人は職場での印象や信頼感を損なわないように、常に自己管理を心がけましょう。
仕事ぶりに問題が無ければ、多くの職場で自己表現を認めてくれる風潮が公務員業界にはあります。
髪型や服装にも注意する
外見の印象には、髪型や服装が含まれます。
ラフな服装や、まとまりのない髪型に加えてピアスとなると、外見においてカバーできる部分がありません。
もはやただのだらしない人になってしまうかも・・。
え、公務員なんですか?って感じですね
一方で、髪型や服装に清潔感があれば、多少なりともピアスが目立たなくなる可能性があります。
公務員として誠実さが表れるよう、トータルでプラスに持っていける印象づくりを心掛けることで、周囲の評価を落とさないようにしていきましょう。
服装や髪型については別の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
コミュニケーションスキルをどんどん磨く
例え数年間キャリアだけを積んだところで、周囲に対して適切なコミュニケーションができなければ結局マイナスです。
誤解を恐れずに言えば、上手にコミュニケーションを取り、誠実に仕事をこなしてさえいれば、ピアスを着用していようと周囲の評価は上がっていきます。
公務員業界は特に不誠実な仕事のやり方を嫌う傾向にありますので、外見は自由に表現したいと主張する割に、コミュニケーションもろくに取らず、仕事は上手く立ち回らないという状態は非常に良くありません。
その為にも、継続してコミュニケーションスキルを高めることをオススメします。
別の記事では、仕事で活きるコミュニケーションスキルを、最大効率で高める方法を紹介していますので、気になる方はご覧ください。
派手なピアスは控える
控えめなデザインであれば受け入れられる可能性が高まります。
よく見ると
「あ、この人ピアスしてるんだ」
程度のものを選ぶと良いでしょう。
ギラギラ&ゴリゴリのピアスは業務上何のプラスにもならないので、できれば諦めましょう。
例え業務時間外や休日であっても、公務員という身分は消えません。公務員になった時点で、ある程度自分の表現を抑える必要があるということですね・・・
【まとめ】公務員のピアス着用は周囲を充分見極めて
というわけで公務員がピアスを着用する上での現状や背景をお伝えしてきました。
「各所属で禁止されていない限りは男女ともに自由」
「見た目に関しては常に他者の目線に立った意識を」
しかし、公務員がピアスを着用することによるデメリットを4つ挙げました。
- ビジネスシーンでの適切さに欠ける場合がある
- 印象が悪くなり業務に影響が出る場合がある
- 職場内の調和を乱す可能性がある
- 生涯年収に影響が出る可能性がある
知事部局や市役所勤務であれば、服装について上司から厳しく注意される可能性は低いですが、度を越した装飾品は指導の対象になりますし、なにより住民の目はさらに厳しいものであることを心得ておきましょう。
さらに個人的に複数部署で職員の様子を観察してみた結果、公務員のピアス着用率がおよそ3割前後でした。
業務に従事している方々それぞれの考えがあり、自分達でピアスを着用するかしないかを判断しているようです。
もし、ピアスを着用するのであれば、数年キャリアを積んで信頼と実績を積み上げておくと良いでしょう。
また、同時にコミュニケーションスキルを充分に高めていきましょう。
仕事で成績を収めていれば、多少の事でも好意的に受け止めてくれる業界です。
着用するのであればぜひ良質なピアスを選んでください。今の時代は店頭販売と大差が無いオンラインショップをどんどん活用しましょう。
最後に、個人的な考察を述べさせていただくと、時代の流れはどんどん加速していますが、公務員業界はその流れに影響を受けない別の次元で存在していると感じています。
世間の流れがそのまま適用されるとは限らず、今後ますます顕著になる可能性もあるでしょう。
いわゆるガラパゴス化というやつでしょうか
多様性や個人的な自己表現が尊重されるようになった時代であることで、上司も安易にピアス着用を否定することはできませんが、住民が公務員に求める高い倫理観はそう簡単に変わることはありません。
私はシンプルに周囲の印象や、人事評価がマイナスに働く可能性が少しでもあるのなら、排除していくタイプだったので業務中に着用しようとは思いませんでした。
公務員は抜群の安定感があります。そのメリットを享受するには一定の制限があっても仕方ないと割り切って勤めていました。
それでも
「もっと装飾が自由な社風で、オシャレに個性を表現したい」
という場合には、クリエイティブ系の企業やアパレル関係の企業への転職をオススメします。
ずっと我慢してまで公務員で勤めるのではなく、早い段階で自分に適した世界で手腕を発揮するべきです。
しかしながら、価値観は人それぞれ。
あなたにとって公務員として働く上で優先すべき事項は何か。
これを考え、納得のいく行動を取ることが正解ではないでしょうか。
一度決めたら自分のこだわりを貫いてください。その方が魅力的な人間になれると思います。
この記事が公務員と勤めていく上で少しでも参考になれば幸いです。