公務員の病気休暇の取り方やデメリットは?【元公務員が具体的に解説】
「公務員の病気休暇制度ってどうなっている?」
「病気休暇を考えているけど先が分からず不安・・」
「実際に病気休暇を取得する際に気を付けるポイントは?」
など、お悩みではありませんか?
実際に私も療養のために休暇しましたが、当初は詳しい説明もなく、手続きや先々の不安でいっぱいでした。
この記事ではそんなあなたに向けて規則や経験を基に詳しく記事にしています。
私は公務員歴20年で退職し、実際に病気休暇を取得した経験もあります。
そんな私の体験に基づいた記事となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
病気休暇は権利です!抱え込まないで申請しましょう
また、この記事を読んで公務員を退職するまで、自身の健康を守りながら適切な休暇を取得し、充実した公務員LIFEを送ってください。
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公務員の病気休暇の取り方と流れ
病気休暇を取得するためには、以下の通りいくつかのステップがあります。
厳密には期間によって手続き方法が変わり、7日が境界線になっています。
7日未満・・①&②
7日以上・・①~④
です。
①管理職に相談
②休暇日数の調整
③医師の診断書の取得
④申請&承認を受ける
1つずつ確認していきましょう。
①管理職に相談
まず、公務員が病気休暇を取得する場合にやることは、自分の状態を直ちに所属する管理職に相談することです。
これは、公務員の職務上の責務として、職場における連絡や業務の遂行が円滑に行われるために重要なことです。
というより、管理職への報告なしで勝手に休暇は取得できません。
状況を把握していない中で承認するわけにもいきませんからね・・
その為、突然報告するのではなく、あらかじめ予期できそうな場合には日頃から体調の不安面は相談しておくと良いでしょう。
②休暇日数の調整
本来であればこのような日数調整などは必要ありません。
医師の判断に基づいて必要とする療養期間を申請すれば休暇は取得できます。
しかし、実際の現場では不在になることで、業務に穴が空きます。
それをどのように埋めるか、代わりの臨時的職員を補充するか等の検討が必要になります。
特に、行政組織は4月~翌年3月という年度単位での業務が多いため、ある程度業務の区切りを見通した療養期間の調整が必要になってきます。
そのため、自身の病気休暇取得が緊急でない場合には、あらかじめ所属とよく相談しておくと良いでしょう。
③医師の診断書の取得
病気休暇を取得する際の添付書類として診断書が必要になりますので、かかりつけの医療機関に出向き、理由を説明し医師の診断書を依頼しましょう。
病院側では診断書の用途を概ね理解していますので、便宜を図ってくれることが多いです。
必要最低限の療養期間に加え、どの期間まで記された診断書を必要とするか等をズバリ聞いてくれる病院もあるので、自分が病気休暇を申請する期間を申告しましょう。
ただし当然ながら虚偽の申告に応じることはできませんので、申請と書類の準備については計画的に進めていきましょう。
なお、簡単な紙1枚なんですが、料金が数千円以上と結構かかるのできをつけて・・・
④病気休暇の申請&承認
病院で取得した医師の診断書を添付し、必要事項を記した病気休暇報告書を作成することで申請の準備が整います。
人事課やそれにあたる部署で決裁が通れば、期間内において病気休暇を取得できます。
ちなみに、病気休暇までは正当な理由であれば割とスムーズに承認されることが多いので、あまりドキドキ身構えなくても大丈夫です。
必要な分取得して休養につとめましょう。
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病気休暇の期間設定は?延長は可能?
では、実際に病気休暇を取得する際の期間設定はどのように考えたら良いでしょうか?
結論として、期間設定は医師と自分自身の希望をすり合わせて決めることになることが多いです。
医師は最低限治療を要する期間を示してくれるので、病気休暇日数はリハビリ等を含めて業務に復帰できる期間を想定しておくと良いでしょう
また、当初申請した期間では回復が見込めない場合、再度申請することで上限日数までは病気休暇を取得することができます。
以下に詳しく解説していきます。
公務員が病気休暇の期間設定で留意すること
公務員が病気休暇を取得し、休職する際には、休職期間の設定と延長に関する規定が人事院規則などで定められています。
休職期間は、職員の療養や復職の見込みを考慮して、適切に設定されるものです。
当然ですが、軽傷でむやみやたらと長期で休みを申請することは不自然です
また、先に示したように、引き続く一般的な負傷や疾病による休暇上限は90日間であることをおさえておきましょう。
リハビリ等を十分に含めた期間設定をする
まず、休職期間は職員の病状や療養の進捗状況に応じて適切に設定されます。
例えば手術が必要な状況であれば、その後入院とリハビリも必要になってくるかもしれません。
となれば、リハビリを含めた諸々の分を見越した期間設定をします。
医師からは最低限療養に必要な日数を目安として教えてくれる場合もありますが、手続きに使用する医師の診断書には、自身の病状や復職の見込みを検討した適切な期間が設定されているかどうか確認しましょう。
これにより、十分な時間を確保して療養に専念し、健康な状態で職務に復帰することができます。
休養するからには焦らずゆっくりと&万全に復帰できるようにしましょう
病気休暇期間の延長も必要に応じて可能
想定よりも回復が見込めず、予定の休暇期間を超えて療養が必要な場合には、休職期間の延長が制度として認められています。
休職者が療養に必要な期間が予定の休職期間を超える場合には、自身が所属する組織の管理職に対して、休暇延長の申し出を行います。
延長を手続きする際には、再度医師の証明書によってどの程度期間を延長するべきかの根拠を示すことになるので、準備しましょう。
病気療養の休暇上限である90日間を迎えても完治しない場合、休職に移行することが多いですね
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公務員の病気休暇は人事院規則に基づいている
公務員の病気休暇は人事院という規則に基づいて制定されています。
人事院というのは国家公務員にとって公正かつ利益の保護等に関する事務をつかさどる中立・第三者機関です
公務員は全体の奉仕者という扱いで、職員ひとりひとりにとっては何かと制約が多い組織です。人事院が代わりに公平な立場で職員に不利益がないよう調整を図っているという形です。
なお、地方自治体では人事委員会という組織が人事院と同じような働きをします。
つまり国が決めた内容が地方へと降りてくるイメージです。
人事院規則における病気休暇のルール
病気休暇は、公務員が負傷又は疾病のために療養が必要であり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合に1時間単位~90日を上限として取得できる休暇です。
自治体によって名称が若干変わります。本自治体では「療養休暇」と呼んでいました
人事院規則において、病気休暇は職員の健康を保護し、疾患や負傷に対処するための必要な期間の休暇を認めることとしています。
また、病気休暇の範囲は、精神的な疾患や通常の怪我など、様々な疾病や負傷に適用されます。
【具体例】
・うつ病や適応障害
・骨折などの外傷
・内臓疾患
・感染症
これ以外にも具体的な症状や疾患の種類に関わらず、職員が十分な療養を必要とする場合には、所属長が認めることで病気休暇を取得することができます。
病気休暇は、公務員が健康を維持し、職務に復帰するために必要な時間を確保するための重要な制度です。
この制度により、職員は適切な療養を受けることができ、疾病や負傷から回復し、再び職務に復帰する準備をすることができます。
また、病気休暇は、職員の健康と福祉を保護するだけでなく、職場全体の健康と生産性を向上させるためにも重要な役割を果たしています。
病気休暇取得中の給与や待遇【デメリットは?】
病気休暇中、一番気になるのが収入の問題ではないでしょうか。
結論から言うと特殊な場合を除き、90日間の病気休暇中まで給料は発生します。
詳しく以下にまとめましたので具体的に見ていきましょう。
病気休暇は「有給休暇」
公務員が病気休暇を取得している間は「有給の休暇期間」です。
つまり、病気休暇も最大90日間は満額給与が支給されるということです。
借家に対する手当や、扶養手当等も継続して支給されますが、通勤手当など実態に応じた手当については原則支給されません。
病気休暇中の賞与(ボーナス)は影響の場合あり
給与は通常支給されるとして、ボーナスはどうなるのか気になりますよね。
結論から言えば、病気休暇を取得した日数によって増減します。
複雑な計算式により支給率は決定しますが、イメージとして90日間フルで取得したとしても半分以上はボーナスは支給され、病気休暇を40日以上取得したあたりから、調整が入るようなイメージです。
細かい計算方法で算出されるので気になる方は人事に相談を・・・
病気休暇中の昇給は日数によって影響
公務員は1年に1度昇給の機会がありますが、病気休暇を取得している間であっても昇給の対象になっています。
昇給の判定にあたっては前年度1年間の勤務状況を参考にしているので、病気休暇を90日間取得しても、その他の日数が対象期間になり昇給します。
また、一定の日数までは昇給に影響がなく、1年間の必要勤務日数から1/6程度。
イメージとして40日程度までは昇給に影響がないよう制度化されています。
給与等含めて、実は意外と影響が少ないです。
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【病気休暇の次に考える事】休職制度について
公務員が病気休暇を取得しても回復が見込めない場合、休職が選択肢に出てきます。
休職する際には、休職期間中の給与や待遇に関する規定が人事院規則などで定められています。
(あれ、病気休暇と休職って違うの・・・?)
厳密には病気休暇は有給の休暇で、休職は文字通り病気休暇を経て、さらに長い期間、当該職を休むイメージです。
とはいえ、いきなり無給になるわけではなく、休職の中でも有給の休職と無給の休職に別れます。
詳しくは以下の図をご覧いただければわかりますが、休職中の公務員の待遇は充実していることが分かります。
休職可能な期間は最長3年であり、最初の1年間は給与の80%相当額が支給されます。
この期間には、職員が十分な療養期間を確保し、健康な状態で職務に復帰することが想定されています。
また、休職して1年6ケ月経過した後は給与が無支給となりますが、代わりに共済組合から「傷病手当金」が支給されます。
これは、給与の3分の2相当額が支給される制度であり、職員の経済的な負担を軽減するためのものです。
さらに、無給の休職から1年6ケ月経過した後からは「傷病手当附加金」が支給されます。
これも給与の3分の2相当額が支給され、休職期間中の生活や医療費などの経済的な負担を引き続き軽減してくれます。
つまり約3年間、収入が途絶えることが無いんですね・・
休職期間中の給与や待遇は、職員が療養に専念し、健康な状態で職務に復帰するための支援として整備されているものです。
制度上の規定に基づき、公平かつ適切に待遇が提供されることで、職員が安心して療養に専念できる環境が整えられています。
休職の手続きは?【病気休暇より細かい】
休職の手続きは病気休暇と比較すると、長期の休みが予想されるため相応の手間が掛かります。
本自治体を例に挙げると以下の書類が必要になっていました。
・休職願
・職員に係る調査書
・医師の診断書
・健康審査会の結果
特に健康審査会の結果については、所属からの諮問に対して有識者による審査を行い、結果が通知されるというものです。
要するに休職の申請は、なかなかハードルが高いということです。
しかし、休職の手続きが複雑だからと言って十分に回復できないまま復帰するのは本末転倒です。
しかるべき手続きに沿って、自分の健康状態と相談しながら休職を申請しましょう。
公務員が病気休暇を取得する時の注意点
病期休暇中は療養に専念するのはわかりますが、具体的にどのように過ごせば良いのか気になりますよね。
病院だって1日中通っているわけでもないですし、その他の時間の過ごし方とかもどうしたら良いのか迷うところです・・
参考までに私の体験を踏まえた留意点をまとめてみましたのでご覧ください。
病気休暇の取得に関する注意事項
公務員が病気休暇を取得する際には、注意すべき点があります。
それは「軽率な行動が信用を下げてしまう事」です。
これから病気休暇制度を利用する人にとっても、せっかく療養しているのに誤解されてしまうのは残念ですよね。
一人一人が正当な理由で休暇制度を利用できるよう、以下の点に注意してください。
公務員としての意識を持ち言動に気を付ける
病気休暇中であっても、公務員としての品位やモラルを守ることが重要です。
そもそも公務員には「職場の外であっても公務員という自覚を忘れないよう~・・」というようなお達しがしょっちゅうきます。
つまり、療養中であっても、公の場やSNSなどでの不適切な行動は避ける必要があります。
周囲の目は厳しく、時に職員の不用意な言動に対するお叱りの電話が入ってきます・・
どこで遊んでいても公務員。軽率な振る舞いや行為が、市民の信用を失墜させる可能性があることを理解しておく必要があります。
公務員としての行動には一層の慎重さが求められるため、休養中であることを念頭に置いて、くれぐれも注意深く振る舞うようにしましょう。
虚偽・不適切な申請はNG
当たり前のことですが、病気休暇を取得する際はその休暇が本当に必要であることが重要です。
そして、過不足なく必要な分だけを適切に取得しましょう。
虚偽の申告や不正な休暇取得は、本人の問題だけではなく、公務員全体としての信頼を損なうことにつながってしまいます。
特に精神面での療養は回復の判断が難しいので、期間の延長についてゴタゴタが起きることもあります
実際過去には、公務員が病気休暇中に副業していたとして報道され、公務員の信用失墜行為にあたる事例もありました。
医師との相談、管理職との面談を通じて、正当な理由に基づく病気休暇を取得するようにしましょう。
・病気休暇および休職中の不適切な言動
・虚偽の申告や不適正な申請
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【何すれば良い?】病気休暇中の過ごし方
病気休暇中は仕事の時間が丸々治療に専念する時間になります。
ある程度回復してくると、何をしたら良いか迷ってしまうかもしれません。
ですが、病気療養中は、職場のことから離れて休養に専念し、身体の回復を優先させる工夫をしましょう。
実際過ごした内容や、療養中の職員から聞いた話を基にご紹介します。
過ごし方は人それぞえですが、参考までにご紹介します、
散歩などの運動を取り入れる
まず第一に、歩けるようであれば適度な運動や散歩を取り入れることが有効です。
散歩の効果はこれまでも研究されてきましたが、メリットが数多くあると言われています。
・体内の代謝を活性化
・免疫力を向上
・生活習慣病の予防
・心身のリフレッシュやリラックス
このように軽い運動全般は、身体だけでなく精神的な安定感をもたらします。
実際に私も傷病による休暇中に、散歩から初め、ジョギング、筋トレと発展させていきましたが、その間は没頭できて良かったですよ
病気休暇中には特に、積極的に散歩や運動を取り入れることで、健康状態の改善やリハビリテーションに役立てることをオススメします。
読書や趣味に没頭する
読書や趣味に没頭することも一つの方法です。
病気休暇中は自宅や病院で過ごす時間が長くなるため、新しい本を読んだり、趣味に時間を費やしたりすることで気分転換ができます。
ぶっちゃけ私はやりたかったゲームがあったので、ひたすらゲームをやっていました。そんな過ごし方でも悪くなかったですよ。
これまで自分が興味を持っていたことや、この期間だからこそできる趣味を見つけて没頭することで、心身のリフレッシュが図れます。
生活リズムを整える
病気休養中は、生活リズムを整えることも重要です。
休日にずっと布団でゴロゴロしていると、何となくダルくなってしまう経験はありませんか?
昼夜問わずにずっと動かずにいると自律神経が乱れやすく、なかなか調子も上向きません。
朝は日光を浴び、夜は早めに寝るなどの規則正しい生活を心がけることで、身体の回復を促進し、療養期間をより有意義なものにすることができます。
夜は寝たいけれど、普段からよく眠れないと感じている場合、寝具を変えることで変化があるかもしれません。
別の記事では、手軽に変えることができる枕について解説していますので、興味があればご覧ください。
また、食事をしっかりとるようにして心身の回復に努めてください。
仕事のことはなるべく考えない
これまで紹介した方法でも共通して大事にしたいことは、「仕事のことは考えない」ようにすることです。
病気療養中は自身の健康管理に注意を払い、穏やかで充実した日々を送ることが大切です。
「今頃職場はどうなっているかな・・?」などと考える必要はありません。
なぜなら、あなたが居なくとも組織はちゃんと回っているからです。心配するだけ自分に余計な負担が掛かってしまうだけです。
健康な状態で職務に復帰するためにも、休養中は仕事のことはなるべく忘れ、十分な休養と適切な生活習慣を整えることを心がけましょう。
公務員の病気休暇は権利。適切に活用しよう【まとめ】
この記事では、公務員の病気休暇について解説しました、ポイントをまとめると以下の通りです。
【病気休暇の概要】
- 人事院規則に基づいて公務員の病気休暇は90日を上限に設けられている
- 病気休暇の申請は管理職や人事部と相談の上、あらかじめ調整を図れると良い。
- 申請の添付書類として医師の診断書が必要になることが多い
- 期間の延長も可能
【病気休暇中の給与や待遇について】
- 有給の休暇として満額支給(一部実績手当は除く)
- ボーナスは病期休暇の取得日数によるが40日程度を目安に調整
- 昇給も年間勤務日数1/6以上の休暇があった場合に調整
【休職制度について】
- 病気休暇90日を超えた場合に休職に移行する場合が多い
- 休職期間は最長3年
- 給与は1年目は80%、以降は傷病手当金で2/3程度支給される
【病気療養における注意点】
- 公務員の自覚をもった言動を
- 不適正な休暇申請はNG
- 療養中は仕事をなるべく忘れる
- 運動を取り入れ、食事や睡眠といった生活リズムを整え回復に専念
私も運動中にケガをしてしまい、約1ケ月の病気休暇を取得しましたが、勤め人で1ケ月まるまる出勤しないというのは普段ではありえないことです。
最初は迷惑を掛けている自責の念と困惑がありましたが、療養に専念している内に、徐々に仕事のことが頭から離れるようになり、最終的にはリフレッシュして復帰後はより一層仕事に励めるようになりました。
病気休暇は公務員の権利です、自身の心身に何か問題を感じた場合には、我慢せずに制度を理解した上で適切に活用しましょう。
今回は病気休暇についてお話ししましたが、公務員の福利厚生全般について知りたい場合は、こちらの記事もご覧ください。
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