公務員のサービス残業は違法?【元職員が実態を解説】
「他の職員はどのくらい残業代をもらっているんだろう…」
「定時を超えて働いているけど、ちゃんと手当は働いた分出るのかな?」
「公務員のサービス残業って違法では?実態が知りたい」
こんな疑問を抱えていませんか?
私も公務員として働いていましたが、業務の多さから残業が割と多いこともあり、他の人の様子が気になっていました。
アレ、残業代って全部請求できないの・・?って衝撃を受けました。
まず、結論から簡単に説明すると、特に忙しい部署や職種では、残業は頻繁にあります。
しかし、その残業時間分を全て請求することはできず、結果としてサービス残業となってしまっていることもあります。
なぜそうなってしまうのか、詳しく解説していきます。
私自身、公務員として20年勤続してきましたが、組織として経験してきた現場のリアルもお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
★お金を増やしたければ「投資」一択です
残業代も出ず、副業も制限された中で公務員が注目するべきは「投資」です。
少しでもお金を増やしたいと思ったら、資産を運用してお金にお金を増やしてもらいましょう。
公務員でも副業規制の心配なく、限りなくリスクを抑えて堅実に投資できる手法は存在しますが、多くの方が取り組めていないのが実情です。
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公務員のサービス残業の現状
サービス残業は本当にあるのか?
公務員の中には「サービス残業なんて存在しない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実態は違います。
実際に、多くの公務員が定時を超えても働いているにもかかわらず、ある一定以上の勤務については、適切な残業代が支払われていないケースが多数あります。
特に、忙しい部署では、上司の指示でなくとも、仕事が終わらないため、自主的な「サービス残業」が発生することが多いです。
なぜサービス残業が起きてしまうのか、簡単にまとめると以下の通りです。
・人手不足
職種や部署ごとに業務に偏りがあり、職員数が限られているため、業務が回らない
・暗黙の風潮
正式に残業を指示されないが、仕事を終わらせるために仕方なく残業する
・連帯で業務を負担する
1つの業務を複数の職員でこなす場合があり、他の職員が残業していると、自分も帰りにくい
こうした理由から、サービス残業は公務員の世界でも日常的に行われています。
正式な残業の命令や承認がないために、手当が発生せず、そのままになっていることが多いのが実情です。
多忙な部署の超過勤務の実態
特に忙しい部署や業務量が多い職種では、超過勤務が常態化しています。
例えば、福祉や財務、医療関連、警察などの現場では、常に多くの業務が発生し、職員一人あたりの負担が大きくなりがちです。
休日出勤という名の、お金が一切発生しないサービス残業も多数あります。
市役所での激務部署についてはコチラの記事で解説しています↓↓
このような部署では、時間外の労働時間が月100時間を超えることも珍しくありません。
そのため、肉体や精神共に強靭な人でなければ、長期の療養休暇に入ってしまう人もいます。
こうした過酷な状況下でも、残業代が全て支払われることは少なく、結果的にサービス残業がおこなわれています。
- 休日出勤:業務量が膨大で、通常の勤務時間内で仕事が終わらない
- 緊急対応:予定外の対応が発生することが多く、結果的に残業が増える
- 精神的な負担:常に忙しい環境で働くことで、疲労やストレスが蓄積されやすい
サビ残は違法?労働基準法と公務員の関係
公務員に労働基準法は適用されない
ズバリ、サービス残業そのものは違法です。
具体的には、労働基準法第37条に違反する行為であり、労働基準法第37条に違反した会社には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰が科せられることもあります。
しかし、公務員は一般の労働者とは異なり、一部を除き労働基準法の対象外です。
労働基準法は民間企業の労働者を守るための法律ですが、公務員には「職務の特殊性」があるため、すべての項目が適用されません
たとえば、災害対応や緊急事態における職務では、時間外労働が発生することが多く、その際には労働基準法の規制に縛られないケースが見受けられます。
しかしその代わりに、国家公務員法もしくは地方公務員によって、公務員にも労働時間や休暇に関する法律や規則があります。
公務員の残業時間の上限は、原則として月45時間、年360時間と定められています。
忙しい部署などでは、月100時間未満・年720時間と定める場合もあります。
これは人事院規則によるもので、地方公務員もこの規定に準ずるようになっています。
ただし、これは残業時間の規定であり、残業代の支給に関する問題とは別です。
多くの自治体では、上限いっぱいまで残業代を確保するのは、予算の事情から難しいです。
そのため、実残業時間と残業代請求時間に乖離が生じます。
これがサービス残業の正体であり、残りは自主的な活動扱いなので、違法と言うわけでもないわけです。
公務員の残業代(時間外勤務手当)に関する記事はコチラでご覧ください↓↓
サービス残業に対する告発の方法とリスク
告発というと表現が強いですが、サービス残業の実態を知り、人事院や人事委員会に相談するという手段もあります。
しかし、それにはある程度のリスクも伴います。
というのも、公務員の組織のサービス残業は古くから常態化されており、そう簡単に変えられる問題ではなく、多くの職員が同じ道を通ってきています。
つまり、狭い公務員の世界で、どうしもならない分かり切った事をあえて荒立てることで、
「面倒な問題を持ち込む奴・・」
「通常業務で手一杯でそれどころではないのに厄介・・」
といった自分の立場に何かしらネガティブな影響を与える可能性もあります。
けっして声を挙げることが悪いことではありません。
ただ、個人ではどうにもならないことを、あえて問題提起するのはいかがなものか・・というような雰囲気があるという事です。
サービス残業問題に突っ込みすぎると・・・
- 上層部の注目を浴びる:騒ぎすぎることで、自分の評価が変わる可能性
- 職場の人間関係:職場内での扱いが変わるリスク
- 変化を望めない:無い袖は振れないので、徒労に終わる
人事部門に告発する際は、慎重に検討する必要があります。
なかなか難しい問題であると理解し、波風を立てずに粛々と業務をこなしている公務員も少なくないのが現状です。
サービス残業問題は無くせないのか?
個人的な意見にはなってしまいますが、そう簡単には無くならないでしょう。
各自治体含め、何もせずにいるわけではありません。
・資源の有効活用
・定時退勤日の設定
・雑務の軽減
・手続き簡略化
など、色々な施策で職員の超過勤務時間の短縮を図っています。
それでも現代の情報量の多さ、変化の速さに精一杯対応していこうとすると、なかなか上手くいかないんですよね・・
一方で、予算要求は前年度比に対し、同程度もしくは数%削減を上限として計上するのが基本です。
つまり、努力して縮減を図っても、それ以上に業務が増えていくので残業時間は変わらない。
しかし、人件費は予算編成時の要求で、原則増やす事はできない。
このため、サービス残業をせざるを得ない状況が生まれ続けるということです。
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【サービス残業体験談】100時間→10時間!?
サービス残業が当たり前だった当時の現場
私自身、多忙を極める時期があり、毎月100時間を超える残業をしていましたが、実際に請求したのは、そのうちの1/10にあたる10時間分だけでした。
なぜなら、予算の制限に加え、正直に残業時間の報告をしてしまうと、残業に対しての報告業務という、とても余計な仕事が増えて面倒になるからです。
そしておそらくこれは、多くの公務員が直面している現実です。
忙しい部署では、定時を超えても仕事が終わらないため、サービス残業が常態化していますが、上司からは正式な命令等はなく、自主的に働くという扱いが多くあります。
勤怠管理システムは導入していますが、残業時間が月80時間を超えると、産業医との面談や、報告書を提出する必要があり、意図的に残業時間を調整することもあります。
もちろん、記録に残すわけにはいきませんので、様々な方法で残業記録を回避します
また、公務員を志望する人は、真面目で責任感も強いため、残業代云々よりも自分の業務が片付くことを最優先してしまいがちです。
このような状況で、残業を申告しないまま仕事を終えることが日常的に行われています。
残業には予算の都合と業務合理性が必要
当時、残業代を請求する際には、いくつか注意点がありました。
1つは予算の問題。
例えば年360時間が残業上限だとして、まるまる残業代として請求している人は、そうそういません。
なぜなら、残業代も無限に支給できるものではなく、おおよそ決められた予算内で執行するという問題があるからです。
財源は税金ですからね。無駄遣いはダメなのはもちろんのこと、効果的に執行していく必要があるんですよね。
厳密には請求すること自体は可能ですが、その後、突出して残業時間が多い職員は、業務の改善策を厳しく求められるでしょう。
つまり、後々自分を苦しめてしまうことになるわけです。
2つ目は業務の合理性の問題。
時間外勤務を命令し、事後に承認するのは、所属長です。
その際に、当該業務に対して残業の合理性が無ければ、時間外勤務は認められません。
例えば、
「本来であれば勤務時間内に終わるような通常業務の内容が、ダラダラと仕事をしているせいで終わらない。」
となった場合に、残業として認められるのは難しいです。
そもそも、通常業務の量が多い所属だと、こなせないことに関して「個人の処理能力が不足しているのではないか」という評価になるリスクがあります。
時間外勤務の多さは、人事評価の評価項目において、良い影響を及ぼさない可能性があります。
サービス残業の改善にはまだまだ長い時間がかかりそう
最近、民間企業では働き方改革が進み、ホワイトな職場が増えてきました。
サービス残業は「悪」であるとして、排除しようという動きが進んでいます。
しかし、公務員の職場で、サービス残業をなくすことは、まだまだ時間が掛かる問題です。
なぜなら、サービス残業の根底にある問題を解決する必要があり、公務員の業務の在り方や人件費の制約が大きな課題となるでしょう。
多忙な部署では、定時を大幅に過ぎても仕事が終わらないことが多く、超過勤務が常態化しています。
それでも、全ての残業代を請求するのは現実的に難しい。と感じている職員が多いのではないでしょうか。
私は100時間以上の残業をしても、実際に請求したのはそのうちの10時間だけでしたが、これは私だけでなく、同様の経験をしている職員はたくさんいます。
また、現時点でたとえ「サービス残業は違法」として声を上げても、多くの部署で常態化しており、周囲からの賛同を得にくいでしょう。
むしろ、職場の秩序を乱す存在として扱われ、上層部からの評価に悪影響を及ぼすこともあるかも知れません。
公務員組織というのは、そのような表面では見えない課題が結構あります。
このようにサービス残業を無くすには、個々の職員の声だけではなく、国も含めた組織全体での改善が必要です。
しかし、これは時間のかかる取り組みであり、すぐに解決できる問題ではありません。
「サービス残業をさせられている」ということだけにフォーカスして、ネガティブになるのではなく、自身の業務を少しでも効率化させ、退勤を早めるチャレンジをするなどのワークライフバランスを考えていく方が良いでしょう。
残業代に頼らない生き方【資産運用】
公務員ができる資産運用の基本
対価として残業代が支給されないことに不満があるのであれば、解決方法として資産運用を考えてみるのも一つの手です。
公務員は比較的安定した収入があるため、リスクの少ない運用方法で資産を増やすことが可能です。
たとえば、NISAやiDeCoといった税制優遇がある制度を活用することで、少額からでも長期的に資産を増やせます。
資産運用のオススメについては以下の記事で紹介しています。↓↓
これらの方法を活用することで、時間をかけずに資産を形成することが可能です。
残業代よりお金がもらえる?資産運用のメリット
残業代を得るために身も心もすり減らす位であれば、仕事に精一杯向き合っている間に、お金を増やしてもらいましょう。
サイクルを時間を掛けて回し続けるだけで、残業代を超えた収入が手に入るようになります。
特に、公務員は職業の安定性を活かして、ローリスクの資産運用を行うことで、将来的には十分なリターンを見込むことができます。
資産運用のメリット
- 労働時間に縛られない収入の増加
- 長期的に見れば残業代よりも大きなリターンを得られる可能性
- 残業代や収入に対するストレスの心理的負担を軽減
これ以外にも、経済に対する動きにも敏感になるので、お金を増やす目的でなくてもわりとオススメです
これによって、仕事への不満や経済的なストレスを軽減することができ、より充実した生活を送ることが可能です。
★お金を増やしたければ「投資」一択です
残業代も出ず、副業も制限された中で公務員が注目するべきは「投資」です。
少しでもお金を増やしたいと思ったら、資産を運用してお金にお金を増やしてもらいましょう。
公務員でも副業規制の心配なく、限りなくリスクを抑えて堅実に投資できる手法は存在しますが、多くの方が取り組めていないのが実情です。
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公務員のサービス残業はすぐには無くならない【まとめ】
公務員のサービス残業について解説してきました、まとめると以下の通りです。
公務員のサービス残業の現状
公務員の中にはサービス残業が存在しないと考える人もいるが、実際には多くの公務員が適切な残業代を受け取れていない。
特に忙しい部署では、自主的なサービス残業が発生しやすい。
原因
人手不足:業務に偏りがあり、職員数が限られているため仕事が回らない
暗黙の風潮:正式な残業指示がないが、仕事を終わらせるために残業せざるを得ない。
連帯責任:他の職員が残業していると、自分も帰りにくくなる
多忙な部署の超過勤務の実態
特に福祉、財務、医療、警察などの現場では、超過勤務が常態化している。
時間外の労働が月100時間を超えることも珍しくなく、精神的な負担が大きく、長期療養休暇に入る職員もいる。
(例)
休日出勤:業務量が多すぎて通常の勤務時間では終わらない
緊急対応:予定外の対応が頻繁に発生し、結果的に残業が増える
精神的負担:常に忙しい職場環境が疲労やストレスを引き起こしやすい
公務員と労働基準法の関係
公務員は一般の労働者と異なり、労働基準法が適用されない部分がある。
例えば、災害対応や緊急事態時には労働基準法の規制を超えた時間外労働が発生することがある。
ただし、代わりに国家公務員法や地方公務員法によって、労働時間や休暇に関する規定が設けられている。
残業時間の上限
原則、月45時間、年360時間と定められているが、忙しい部署では月100時間未満、年720時間まで延長できる場合もある。
残業代と残業時間上限は別問題
残業時間の上限は設けられているが、ひとりひとりが上限分までの予算枠は無い。
結果請求できる残業代には限度があり、以降はサービス残業となる。
サービス残業は無くならないのか?
各省庁や自治体でも勤務時間の縮減に尽力しているが、現代の情報量の多さに加え、予算の問題が解消できなければ無くならない。
サービス残業告発のリスク
サービス残業を告発する方法として、人事院や人事委員会に相談する手段があるが、リスクも伴う。
サービス残業が長年にわたり常態化しており、告発すると職場内での立場に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に検討する必要がある。
(例)
上層部から注目を浴び、悪目立ちの可能性
職場の人間関係が悪化する可能性
体験談:サービス残業が当たり前だった
過去に毎月100時間以上の残業をしていたが、請求したのはそのうちの10時間分だけだった。
予算制限が厳しいうえ、正直に残業時間を報告すると、余計な報告業務が増えることを避けたため。
多くの公務員が同様の経験をしており、残業を申告しないまま仕事を終えることが日常的に行われている。
業務時間内に終わらなければ個人の能力を問われることになる。
サービス残業改善への課題
民間企業では働き方改革が進み、ホワイトな職場が増えているが、公務員の職場ではサービス残業をなくすには時間がかかる。
サービス残業の根本原因は、業務の在り方や人件費の制約にあり、組織全体での改善が必要である。
現時点では少しでも早く帰れる工夫をして、ワークライフバランスを維持することに努めるべき。
変化には時間が必要
定時を超える業務が常態化しており、全ての残業代を請求するのは難しい。声を上げても周囲の賛同を得にくく、職場の秩序を乱す存在として評価が下がる可能性がある。
もう少し時代の変化を待つ必要がある。
公務員の残業代はあくまで、予算あってのものです。
財源は税金で無限にあるものではないですから、自分の収入はあくまで安定した昇給の中で得ていくべきでしょう。
とはいえ、安定は捨てがたいが割に合わないと感じる方もいるのではないでしょうか。
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